みやも

別名義「宮本直毅」。二次元よろずレビューライター。著書に国内の成人向ゲーム35年史をま…

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別名義「宮本直毅」。二次元よろずレビューライター。著書に国内の成人向ゲーム35年史をまとめた『エロゲー文化研究概論 増補改訂版』(2017)。

最近の記事

映画『アンビリーバブル レプティリアンVSグレイ』(2019)視聴メモ

カナダ映画『アンビリーバブル レプティリアンVSグレイ』(2019)がU-NEXTに見放題であったので視聴しました。 恐竜人と小人宇宙人がドツキあい……は、しません! 「自称リアリストが陰謀論を否定するため目先のもっともらしい説明や証拠にふりまわされるうち陰謀論者と同レベルの思考と言動の型にハマっていく」というバイアスの寓話。あるあるだよねー。 煙に巻かれ続けて現実感覚が怪しくなっていく情況そのものを主眼とした会話劇という角度で楽しみようはあるけど、絵的な見どころはあまり

    • 映画『ホーリー・トイレット』(2021)視聴メモ

      映画『ホーリー・トイレット』を見た。2021年のドイツ映画。 爆破工事を数十分後に控えた無人の現場で仮設トイレに閉じ込められ、鉄筋に腕を貫かれて身動きできない男が自分をハメた黒幕の陰謀に追い打ちをかけられながらも脱出を図るタイムリミット系スリラー。 トイレの壁を壊すのと、恋人に冷たかった仕事人間が心の殻を破るのを重ねる手堅さで適度に楽しかった。改心による生まれ変わりという点で絵面をみると、全編通して主人公の身体をひたす水・糞尿・流血・泥水・洗剤といった液体たちは、いわば洗礼

      • 架空の映画『ホース・ガール』

        『ホース・ガールズ』 原題:Pretty Derby / The Girl with the horse tail 1985年、アメリカ 人類の中に一定の確率で生まれてくる馬の耳と尻尾が生えた女性たちが、種族を抑圧する制度の壁と奇異の目に悩みながらも陸上競技界で奮闘する社会派スポーツSF作品。 1954年の映画『Pretty Derby』のリメイクであり、旧映画で主演をつとめた女優ウーマ・スプリンテが主人公のコーチ役として出演している。 リメイクにあたって途中まで制作が進

        • 映画『サン・ラーのスペース・イズ・ザ・プレイス』(1974)視聴メモ

          U-NEXTに映画『サン・ラーのスペース・イズ・ザ・プレイス』(1974)の見放題があったので見た。 土星からやってきて黒人市民を理想の星へ移住させようとする宇宙の大使を音楽家にして思想家のサン・ラが演じる。 宇宙の暗闇の黒イコール黒人の黒。この世界の営みは音楽であり人間はそれを奏でるための楽器。音楽は強大なエネルギーなので人や物を物理的に吹っ飛ばしたり、UFOを動かす燃料にもなる……などの超現実的な観念を、比喩を通り越して実際そうと断じる哲学的胆力で彩った80分。 「そ

        映画『アンビリーバブル レプティリアンVSグレイ』(2019)視聴メモ

          映画『Z Inc. ゼット・インク』(2017)視聴メモ

          映画『Z Inc. ゼット・インク』(2017)を見た。 会社のライバルに失敗をなすりつけられクビになった男が、異常行動を催すウィルスの蔓延したオフィスビルが隔離される8時間、何をしてもウィルスのせいにできる状況に乗じて自分をクビにした社長をぶちのめすべく建物を登っていく。高層建築物の上層下層に身分制をからめた社会縮図という意味では例えば『ハイ-ライズ』と公約数もあるんだけど、各階で刺客と戦うステージ構成のために『死亡遊戯』的な趣を先に感じるね(笑) とにかくカットの運びが

          映画『Z Inc. ゼット・インク』(2017)視聴メモ

          映画『死霊のはらわた ライジング』(2023)視聴メモ

          映画『死霊のはらわた ライジング』(2023)を見た。 出入りを封じられたアパートで悪霊に憑かれた離婚マザーが子供3人と妊娠中の妹に襲いかかって物理的に家庭崩壊。外部の支えなく母たらしめられる女性たちの不安と発起を抽象した残酷寓話の趣だった。 そういう趣向も、怖がらせ方も、まあ言ってみれば至極マジメなので原典にあった可笑しみと紙一重のサム・ライミ因子が薄いのは好みが分かれそうだけども。俺はこういうのも好きだよ。 冒頭、憑依者が水面からぬーっと浮上して背景にタイトル出すとこがす

          映画『死霊のはらわた ライジング』(2023)視聴メモ

          架空の映画『大魔犬あらわる』

          『大魔犬あらわる』 原題" Sit down ! " 1953年、米国 放射線で巨大化した犬が街を襲う古典SFパニック映画。 監督の飼い犬が使われたが、まったく言う事をきかず撮影が難航したため半分以上のシーンはぬいぐるみで代用された。 ちなみに、1978年の映画『巨猫の爪とぎ』は本作の剽窃として権利者に訴えられている。 #存在しない映画 #BingAI

          架空の映画『大魔犬あらわる』

          架空の映画『SF/空手エイリアン対やくざ半魚人』

          『SF/空手エイリアン対やくざ半魚人』 原題 "NINJA ALIEN V.S. KATANA MERMAN" 1985年、アメリカ 地球に不時着してニューヨークのカラテ道場の道場主一家にかくまわれた宇宙人と、地元マフィアが海で拾い育てた半魚人がそれぞれの愛する人間の利害がぶつかったため対決することになるSFアクション。 #存在しない映画 #BingAI

          架空の映画『SF/空手エイリアン対やくざ半魚人』

          架空の映画『探偵令嬢物語』

          『探偵令嬢物語』 原題 "The Legend of The Extraordinary Detective" 1946年、アメリカ 大富豪のお嬢様が覆面をつけて素性を隠し、悪漢を追い詰める1940年代の探偵映画シリーズの記念すべき第1作目。 全7作あるうち第3作目『双子探偵物語』(1948)の人気が特に高かった。 #存在しない映画 #BingAI

          架空の映画『探偵令嬢物語』

          架空の映画『女剣 狼を討つ』

          『女剣 狼を討つ』 原題 "Lady,Sword,Wolves" 1932年、アメリカ映画 森に囲まれた小さな町で、一族の掟によって狼男との決闘を毎月一度おこなう女性の活躍を描く怪奇活劇。1980年代には都会を舞台に変えたリメイク『女拳 狼を打つ』(Girl,Fist,Wolves)が制作された。 #存在しない映画 #BingAI

          架空の映画『女剣 狼を討つ』

          Webマンガ巡回リスト(2023年10月時点)

          連載を追っているWebマンガおよびマンガの電子配信版は毎週の月曜日にまとめて読むスタイルなんですが、それを一度ネット上に静的リストとして留めておきたくなったので以下に記します。何年か経って振り返ったら「これ読んでたな~」と楽しいかなと。 ▼いろいろ  ・週刊少年ジャンプ [電子版]  ・週刊少年チャンピオン [Kindle電子版]  ・キン肉マン  ・ワンパンマン [ONE版]  ・ワンパンマン [となジャン版]  ・ウマ娘シンデレラグレイ [ヤンジャンアプリ]  ・から

          Webマンガ巡回リスト(2023年10月時点)

          恥知らずの世界で

          インターネット上は発信ベースの世界であり、そして自分より無知不見識な人間を見つけやすいのでどうしても「既知の範囲にこもって、他人が見聞きすべきものを挙げる」という営みに傾きやすい。 そういう環境に流されず、自分が知らない事物を畏れて自分が見聞きすべきものを自他に問う姿勢を先に立たせるほうがよほど緊張感があって善いものだが、これはなかなか実践が難しい。それを為すにはまず恥というものを知らなければならず、ネットはつねに恥知らずにアドバンテージがあるからだ。そこから導かれるのは「他

          恥知らずの世界で

          怪人「作業を今日じゅうに終わらせる」の6段変身

          ・日中に終わらせる ・晩飯の前に終わらせる ・晩飯の後すぐ終わらせる ・日付が変わる前に終わらせる ・日付越えたけど夜が明ける前に終わらせる ・翌日にクライアントが動き出す前の早朝の間に終わらせる よいこはこのモンスターが最終段階に到達する前に倒しましょう……ね!

          怪人「作業を今日じゅうに終わらせる」の6段変身

          ことばのスクラップ:『失われたものたちの本』(ジョン・コナリー)より、生き物としての物語について

          “まだ病気にかかる前、よく母親はデイヴィッドに、物語は生きているのだと教えてくれたものでした。人間や、犬や猫とも違った意味で生きているのだと。【中略】物語は、伝わることで命を持つことができるのです。誰かが声に出して読んだり、灯りに浮かび上がった文字を毛布にくるまりながら目で追ったりしない限り、本当の意味でこの世界に生きることができないのです。まるで、鳥のくちばしに挟まれながら地面に落ちるのを待っている植物の種や、五線紙の上に並んで楽器が奏でてくれるのを待ちこがれている音符みた

          ことばのスクラップ:『失われたものたちの本』(ジョン・コナリー)より、生き物としての物語について

          ファスト映像消費に関する所感

          『映画プレゼン女子高生 邦キチ!映子さん』がファスト映画・ファスト消費をお題にした回だった。 『邦画プレゼン女子高生 邦キチ! 映子さん』Season10/4本目「映画を早送りで観る人たち」(後編) https://comic-ogyaaa.com/episode/4856001361157394085 この問題なー、そもそも「する彼ら/しない俺」って二値で切り分けていいのか? というのをずっと内省し続けてるんだよな…… 例えば、飲み食いしながらアニメを見る、何かの作業

          ファスト映像消費に関する所感

          読書メモ:『マスメディアとは何か「影響力」の正体』より

          最近読んだ、メディアの影響力についての研究をまとめて紹介した本の要点だと思ったところをメモしておきます。この新書ね↓ マスメディアとは何か「影響力」の正体(中公新書) ・マスメディアは市民の意見を反対から反対へ変えるような説得の影響力は実は弱い ・人がもともと持っている意見をより強化するブーストの影響力はかなり強い ・世間的にはマスメディアは強力な説得効果をもつようなイメージが流布しており、実際にはそうでもない現実との狭間で「私はマスメディアに影響されない。でも他人は

          読書メモ:『マスメディアとは何か「影響力」の正体』より