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第四回 院進学、留学が人気について

最近一週間ほど久しぶりに上海に滞在したので、数回に分けて中国の現状について、庶民生活視点で簡単にまとめてみる。第四回目の今回は中国特に上海の院進学、留学、移民人気について。

前回庶民の景気感について、以前とは違うという感覚はあるものの、不景気でどうにもならないという雰囲気ではないという話をしたが、これが学生、特に卒業を控えた仕事探し中の学生となると話が違ってくる。なにせ仕事がみつからない、せっかく大学を卒業したとしても、「卒業即失業」という言葉が流行るほど、新卒学生の就職状況はよくない。一時期、政府が若者の失業率の発表を取りやめたこともその現れただと言える。

そこで院進学、留学の人気ということになる。つまり現在は大環境(景気、経済)が悪いのでとりあえず様子をみるために、社会へ出るのを先送りするために大学院や留学の道を選ぶということになる。この話については以前も”なぜ中国の若者は日本へ留学するのか?”でも少し触れた。

今回上海に戻った際、知り合いや友人のお子さんが大学院に進む、海外に留学するという話を多く聞いた。特に留学の話が多く、行先はアメリカ、イギリス、カナダ、シンガポール、オーストラリア、日本等様々で、やはり英語圏の人気が高いようだ。もちろん費用も馬鹿にならない。とある友人のお子さんはイギリスへの留学が決まっているが、一年で最低でも1,000万円くらいはかかるのではないと言っていた。

親としては子供が大学を卒業して就職すれば子育ても一段落してホッと一息と考えたところだが、空前の就職難もあり、大学院進学、留学が経済的に余裕のある家庭のデフォルトになりつつある。友人曰く、やっと育児が終わったと思ったら、まだ続きがあった、しかも相当お金がかかる、なんとも頭が痛いが今の状況なら仕方ない、子供を無職で遊ばせるわけにもいかないし、外売の配達員やdidiの運転手なんてありえないとのこと。この辺にも親御さんの苦悩が見て取れる。

中国の不景気は、子供の就職から影響を実感し始めているというのが家庭の実態のようだ。ただ、大環境が動機の院進学、留学は良いが、数年先状況が良くなっているかどうかは誰もわからない、なんと言っても日本はこれが30年も続いたのだから。

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