美山創造計画 CROSS LOCAL

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マガジン

  • 学芸員小池の縄文コラム

    糸魚川市の学芸員小池による、縄文コラム。美山を取りまく自然、文化に焦点を当てて、古代から続いてきたこの地の暮らしの足跡を辿っています。

  • 美山デイアウト&縄文キャンプ

    2020年10月31日(土)〜11月1日(日)の2日間にかけて、美山公園内の長者ヶ原遺跡で、『美山デイアウト&縄文キャンプ』を開催します。

最近の記事

縄文時代から現代へ。長者ヶ原遺跡がいまの私たちに伝えるものとは?|学芸員小池の縄文コラム #3

こんにちは!美山プロジェクトの小池です。 いよいよ、明日に迫った美山デイアウト&縄文キャンプが開催される長者ヶ原遺跡をご紹介します。 集落の大きさは東京ドーム3つ分!?長者ヶ原遺跡は、糸魚川駅や糸魚川市役所のある市街地から約1km南の美山の丘陵上に位置しています。 標高は約90mの小高い平坦地に集落が営まれていました。西にはヒスイが産出する小滝川を支流に持つ姫川が流れ、この姫川の下流右岸に形成された河岸段丘の最上面に位置します。 面積は約13.6haで東京ドーム3つ分

    • 五感で感じる、ジオの森の冒険|美山デイアウトでできること #6

      こんにちは!美山プロジェクトです。 「美山デイアウト&縄文キャンプ」いよいよ開催が直前に迫りました!イベント紹介、最後は「五感で感じる、ジオの森の冒険」です。 忘れていた自然で遊ぶ感覚。さあ、森の冒険に出かけよう!森で五感を使って、木登りやターザンロープ、ハンモックに揺られて、遊びながら、学ぶ、体験する、発見する、考えるプログラムです。スタンプラリー形式になっており、すべてのアトラクションをクリアすると、「小さな森の科学者(Little Scientist)」証明書がもら

      • 縄文スタディトレッキング|美山デイアウトでできること #5

        こんにちは!美山プロジェクトです。 「美山デイアウト&縄文キャンプ」イベント紹介、第5回目は「縄文スタディトレッキング」です。 アウトドアで糸魚川縄文人にチャレンジ!湧水を採取し、火を起こそう6500年前に糸魚川縄文人が生活していた、長者原遺跡周辺の自然豊かな森を歩きながら、竪穴式住居、湧水、木を使った火起こしを、現代のテントや浄水器、メタルマッチ火起こしと比較体験していきます。 いざというときに役に立つ技術であることはもちろん、「自然と共生する」糸魚川での未来の暮らし

        • 縄文キャンプ|美山デイアウトでできること #4

          こんにちは!美山プロジェクトです。 「美山デイアウト&縄文キャンプ」のイベント紹介、第4回目は今回のイベントタイトルにも入っている「縄文キャンプ」です。 復元された竪穴式住居に泊まれる!およそ7000年前、縄文時代には糸魚川でも人が定住し始めました。もちろん、ひと所に住むには現代と同じく、住むには雨風を避ける家が必要になります。そのため、当時の人々は、掘られた穴の上に木で柱を建て、その上に土、葦などの植物で屋根を葺をふいた竪穴式住居の呼ばれる場所に住んでいたのです。 糸

        縄文時代から現代へ。長者ヶ原遺跡がいまの私たちに伝えるものとは?|学芸員小池の縄文コラム #3

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        • 学芸員小池の縄文コラム
          3本
        • 美山デイアウト&縄文キャンプ
          7本

        記事

          縄文土器づくり・勾玉づくり体験|美山デイアウトでできること #3

          こんにちは!美山プロジェクトです。 「美山デイアウト&縄文キャンプ」のイベント紹介、第3回目は「縄文土器づくり・勾玉づくり体験」です。 縄文土器づくり・勾玉づくり体験 縄文時代に食器などとして使われていた土器。 宝飾品として、ヒスイを使い糸魚川では盛んに生産されていた勾玉。 これらを体験キットを使って、長者ケ原考古館学芸員と長者ケ原遺跡友の会の人たちがわかりやすく作り方を教えます! ▼日時 10/31(土)10時00分~16時00分 11/01(日)10時00分~12

          縄文土器づくり・勾玉づくり体験|美山デイアウトでできること #3

          石斧による木の伐採ワークショップ|美山デイアウトでできること #2

          こんにちは!美山プロジェクトです。 「美山デイアウト&縄文キャンプ」のイベント紹介、第2回目は「石斧による木の伐採ワークショップ」です。 石斧による木の伐採ワークショップ 現代は木を切るのには、ノコギリやチェーンソーなど便利な道具があります。このワークショップでは、そうした道具が発明されるもっともっと前のもの、石斧(復元した縄文時代のオノ)で木の伐採に挑戦します。 ▼日時 11/01(日)14時00分 ▼集合場所 長者ケ原遺跡公園 体験学習広場前 ▼募集対象・定員

          石斧による木の伐採ワークショップ|美山デイアウトでできること #2

          森のラウンジ|美山デイアウトでできること #1

          こんにちは!美山プロジェクトです。 いよいよ「美山デイアウト&縄文キャンプ」が開催される10月最後の土曜日が近づいてきました。運営チームも、ご来場する皆さんに楽しんでいただけるようにいろんなコンテンツの準備を進めています! とはいえどんなことができるのか?もう少し詳しく知ってから遊びに行きたい!という方に向けて、イベントについて、6回に渡って紹介させていただきますね。 家族連れでも楽しめる「森のラウンジ」本格的なアウトドア、外遊びが楽しめる美山デイアウトですが、小さいお

          森のラウンジ|美山デイアウトでできること #1

          7,000年前からわたしたちはヒスイと暮らしてきた|学芸員小池の縄文コラム #2

          こんにちは!美山プロジェクトの小池です。 前回は、美山デイアウト&縄文キャンプの開催地、美山のある糸魚川市がどんなところかということを、民俗文化財の視点からお話ししました。 今回は、糸魚川市の遺跡にスポットを当てて、糸魚川独特の文化をお話ししていきたいと思います。 古代人が住んでいた場所が今もそのまま生活拠点に糸魚川市には現在、279カ所の周知の埋蔵文化財包蔵地(いわゆる遺跡)が見つかっています。平成28年度の文化庁の報告によれば全国の遺跡の数は約46万カ所と記されてい

          7,000年前からわたしたちはヒスイと暮らしてきた|学芸員小池の縄文コラム #2

          自然の中で遊ぶ『美山デイアウト&縄文キャンプ』開催!

          糸魚川にある美山公園では、2020年10月31日(土)~11月1日(日)の2日間で『美山デイアウト&縄文キャンプ』を開催します。 美山公園の中にある、国史跡に指定されている長者ケ原遺跡。 その遺跡中央に位置する、縄文時代中期(5,000~3,500年前)の大きな集落跡は、石斧やヒスイの玉の生産・交易拠点としても知られています。現在は体験学習の場として開放されており、当時の生活を伺い知ることができる貴重な場所となっています。 今回のイベントではその長者ケ原遺跡で楽しく外遊

          自然の中で遊ぶ『美山デイアウト&縄文キャンプ』開催!

          糸魚川は日本の東西と山と海をつなぐ一大拠点だった?|学芸員小池の縄文コラム #1

          こんにちは!美山プロジェクトの小池 悠介です。 ここでは美山プロジェクトの舞台となる美山について知ってもらい興味を持ってもらうため、市の学芸員の立場から美山の魅力を発信していきます。 まずは美山について知ってもらう前に、もっとマクロな視点として、美山のあるこの糸魚川市が一体どんなところで、どんな文化や歴史を持つ街なのか一緒にみていきましょう。 糸魚川ってどんなところ?美山のある糸魚川市は新潟県の最西端に位置し、西は富山県、南は長野県と隣接しています。面積は746.24平

          糸魚川は日本の東西と山と海をつなぐ一大拠点だった?|学芸員小池の縄文コラム #1

          美山プロジェクトのロゴに込めた想い

          美山プロジェクトのロゴが決まりましたこれがどんな思いで生まれたのか少しお話しさせてください。 ロゴの上半分にあしらわれているのは、長者ヶ原遺跡の環状集落と竪穴式住居、そして火。 これは「6,000年に渡って、続いてきた営み・暮らし」「美山プロジェクトを通じて、新しく灯す未来の可能性」を意味するものです。 その下には海や山の回廊を通り、人や物資、情報がにぎやかに行き来していた様子が現れています。 竪穴式住居の「く」の模様、海や川、道をあらわす「S」は、糸魚川から発掘され

          美山プロジェクトのロゴに込めた想い

          美山プロジェクト、始まります。

          糸魚川市の中央に位置する美山公園。 糸魚川に住んでいる人、糸魚川に旅したことがある人であれば、一度は足を運んだことがあるのではないでしょうか? 世界でも稀なジオ(地質)に恵まれた糸魚川の成り立ちが分かるフォッサマグナミュージアム、国指定の文化財である縄文・長者ヶ原遺跡、学生時代に野球場や陸上競技場、テニスコートなどでのスポーツ大会の思い出がある人も多いはず。親子でキャンプをしたことがある人もいるでしょう。 「糸魚川で暮らす人たちのための、本当の "心地よさ"を創りたい」

          美山プロジェクト、始まります。

          糸魚川の未来を灯す場所

          海からほど近い台地の、森の中の湧水のほとり、 北に日本海、南に白馬岳姫川、西に黒姫山、東に焼山を見渡す場所に 縄文糸魚川人は3000年にわたって、大きな集落を営んでいました。 天気の良い日には能登半島と佐渡島をのぞみ、 悠大な海の回廊と峻険な山の回廊をめぐって 日本各地さらには朝鮮半島からの人々や物資が行き来しました。 糸魚川を発つ人々の手には、 塩とともによく磨かれた石斧や翡翠がありました。 大地から生まれ、水辺に辿り着いた色とりどりの石たちは 自然により添い、ときには

          糸魚川の未来を灯す場所