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見たり聞いたり読んだりして

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音楽、映画、舞台、本、アート…。あるとき、あるところで、見たり、聞いたり、読んだりしてきたものについての雑記。 写真:「フェリックス・ヴァロットン「可愛い天使たち」1894年
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記事一覧

『1789』 歌っているのは誰か

2023年9月5日 火曜日  風が少し冷たく感じたりはするけど、秋の日は遠く。なかなか涼しくならないねえ。  やっと完治したと思っていたのに、またちょっとカゼっぽい。いよいよコロナか? 平熱なのでセーフ? いや、もはや何が本当なのか。さらに気をつけていこう。  体が弱っているときに、熱め、濃いめの緑茶を飲むと、かなりHPが回復する(気がする)。マグカップに入れて蒸気吸入をすれば、初期のカゼ菌は大体やっつけられる(と信じている)。今日も助けられました。一個人の感想です。

愛するには短すぎる?

2023年9月3日 日曜日  外に出たら、秋の虫が鳴いている。「あ、風が涼しい」と感じたのは9月1日だったと思う。四季がなくなったとはいえ、ちゃんと秋は来てるんだとホッとする。  今日は本当だったら雪組の全国ツアーを観に行っているはずだった。なんだったら、もう一度レモネードにチャレンジして。  8月は調子よく乗り切れたから、大丈夫だと思っていたのだけど、朝起き上がろうとしたら、メニエール病のめまいの発作に襲われた。大体2時間くらい横になっていたら治まるのだけど、一度目が回り

「おまえの涙に抗うのはつらいが」

2023年8月27日 日曜日  きのうの試合の結果が尾を引いている。  ジュビロ磐田のホームゲームで、ジェフ千葉との対戦。キックオフ50秒で、きれいにシュートを決められ、前半だけで3失点。千葉の戦い方は自由分想像できたのに、今回のスタメンが裏目に出た感じ。  それでも後半に古川陽介、後藤啓介と、ジュビロが誇る若手の選手二人を投入。期待に応えて、後藤啓介が2点をたたき込む。2点目はゴラッソ! よし、同点! というチャンスは何度もつくったけれど、2-3でゲームセット。  返すがえ

サ・イラ・モナムール

2023年8月19日 土曜日  10時からチケット発売。博多座『ME AND MY GIRL』とCornelius「夢中夢 Tour 2023」の発売日が重なってしまった。  『ME AND MY GIRL』は希望日が取れず、C席だけなんとか取れたけど、この回だけを観に福岡まで行くかどうかは悩むところ。  コーネリアスは、ただただ Zepp Haneda のチケットがほしかったのだけど。オフィシャル先行でLIQUID ROOMが当たったので、「これは行ける」と勘違いしてしまっ

ムーミン谷の彗星

2023年8月9日 水曜日  体調はだいぶよくなった。  体温は36.5度。喉の違和感、痛みというようなものはどこにもなく、味覚も戻った。ただ、まだ咳があり、鼻が通っていなくて、なかなかにスッキリしない。  この間はカゼがおさまったと思って外出したとたんに具合が悪くなったので、今日は本当はリモートワークにしたかったんだけど、出なければできない仕事があり、午後から仕事場へ。  何事もなく、帰路につけますように。喉をあたためた方がいいので、オザケンポロシャツを一番上のボタンま

味覚が戻った

 2023年8月7日 月曜日。  味覚が戻った。香りもする。やっとだ。やっとやっと、日常生活が戻ってきた感じがする。  先週の月曜か火曜くらいから喉の奥がひりついていて、エアコンのせいかな、どこかで風邪菌を吸引してしまったのかと思って漢方の桔梗湯を試して、「治まったか」という頃に外出した翌日、酷くなってしまったのだ。  熱はなかったし、喉の痛みや咳もそれほどでもなかったのでコロナの心配はしていなかった。ところが、だんだん鼻水というか鼻づまりが酷くなり、日曜にはとうとう37.

みんなゴダールの子ども

 ゴダールが亡くなった。  2022年9月13日。91歳だった。仏紙「リベラシオン」は「自殺ほう助により自らの命を絶つことを決めた」と報道したという。死に至る経緯も相まって、不在が重くのしかかる。  あまりにも大きな存在だった。  好きとかリスペクトしているとか心の師であるとか信奉しているとか神のようだとか、一つの言葉でいい表すのは難しい。さらに、普通のコミュニケーションを拒み続けている変わり者だという数々の神話と、何よりもゴダールの「映画」が、いっそう複雑で形容し難いも

小沢健二「So kakkoii 宇宙 Shows」*パシフィコ横浜 国立大ホール

「生活に帰ろう」  その言葉を合図に、いつものようにライブは終わった。  そこからはそれぞれの日常…。なのだけど、ステージのライトが落ちるようには切り替わらなくて、みんなぼうっとした名残の時間の中にいる。ライブ中に勢い余ってぶつかってしまった隣の席の人とどちらからともなくほほえみあったりして、おざわさんとの時間を共有したたくさんの人たちと歩いて行く。  パシフィコ横浜を出ると、ウソみたいにきれいな港ヨコハマの景色が目の前に広がっている。大観覧車なんかSo kakkoii

原田知世 40周年アニバーサリーツアー2022「fruitful days」

 6月21日、夏至の夜。原田知世さんの40周年アニバーサリーツアー2022「fruitful days」へ。「So kakkoii 宇宙 Shows 名古屋」(小沢健二さんです)からの帰りに余韻を引きずりながらっていうのはどうなんだと躊躇しながらも、出かけてみれば、やっぱりとても心がゆるんで広がって。歌う人としての知世さんの充実ぶりに感動した。よきコンサートだった。  衣装もかわいかったな。特に、二部のロマンチックなニワトリみたいな羽根のドレス。ファンタジックな衣装なのに、

『ドッグファイト』を観て考えたこと

男たちの連帯  映画やドラマの中で、男同士が集まると、性体験の世話をしたがるのって何なんだろう。最近でこそそうした場面はあまり見なくなったし、心地よいホモソーシャル関係を維持しようとして、間接的に同性愛嫌悪(ホモフォビア)をアピールする振る舞いともいえるのだろう。くらいのことは、長く生きてきたおかげで思いつくようにはなったけど、ああいう見ている女性の気持ちを考えない(どころか、共犯関係にさえしようとする)男たちの連帯場面を見るのは本当に苦痛だった。  去年観た舞台『サイドウェ

「君が僕を知ってる」

 小山田圭吾さんのモノローグを読んで、ステージ上に残っていたスモークが静かに引いていく感じがした。「謝罪文」と書くのはしっくり来ないので「モノローグ」と書いたけど、Corneliusの公式サイトに掲載された「いじめに関するインタビュー記事についてのお詫びと経緯説明」というタイトルの文のことです。  もちろん、これで解決するわけではないし、小山田さんが少年時代に行ったこと、そしてそれを半ば武勇伝のように語ってしまったことは許されないことだ。  けど、小山田さんの言葉で説明しても

月の下でテルヲが見た夢

いつもは録画しておいて夜遅くに見る『おちょやん』。今日は千代の選択が気になって早々と見てしまった。 テルヲに思いの丈を吐き出させてあげて、トータス松本さんに一世一代の見せ場をつくり、最後は地獄のテルヲさんに酒盛り。千代は許すとは言わなかったけど、親子であることは認め、暗い地獄への道をゆくテルヲを月になって照らした。 優し過ぎると思う。甘すぎると思う。 このドラマ、ものすごくたくさんの人が見てるんでしょ。それこそ、子どもを自分のものとしか思っていない非道な男に人生を狂わさ

ストックホルムの夏*『 いだてん』第12回「太陽がいっぱい」

■現実は思い描いたようにはならない『いだてん』が面白い。 毎回、刺さりまくりなのだけど、オリンピックに出場するためにストックホルムに渡ってからは、ホント、ダメだ(笑)。 先週(第11回「百年の孤独」)の三島弥彦の挫折っぷりはたまらなかった。初回からずっと見てきて、「お。またやってますね」としか思わなかったのに、彼の中の弱さにふれて、生田斗真の弥彦にぐらっと来た。人はこうやって恋に落ちたりするんだろう。ちょっとだけはっとした(笑)。 そして今週は、四三(中村勘九郎)のター

「ヒコーキ・コー」考

​ 《小沢健二 魔法的 Gターr ベasス Dラms キーeyズ》  これが今回のライヴツアーのタイトル。  何を意味してるんだろう? アナグラムになってるのかな?   不思議だったけれど、赤いクロス張りの「魔法的モノローグ台本+4+2」を開いて、最初のモノローグを読み始めたときにわかった。これ、りーりー語みたいに、英語と日本語がいっしょにある世界なんだ。いや、わかんないけど(笑)。  今回販売されたツアーグッズにも、魔法ワードがあった。  《ヒコーキ・コー ボーダ