胸いっぱいのバルーンサイクル
原色の青や赤と黄色のしま模様。
とても懐かしいカラーリングの風船の形をした乗り物から子供たちだけで楽しむ姿が見える。
目の当たりにした成長と何とも言えないその素朴なビジュアルが相まって胸がいっぱいになった。
新しいものは魅力的だけれど今あるものを時代を超えて受けついでいく大切さ。
穏やかで温かい幸せ。
そして育ててくれた両親と義両親へ湧き上がる感謝の思い。
青空の元に浮かんだ年季の入ったバルーンサイクルが教えてくれた気がした。
GWに家族で出かけた遊園地は子供2人が低学年の我が家にぴったりだった。
広すぎず混みすぎず、乗り物は怖すぎないと言ったところで身長が110センチあればほとんど乗れる。
入場料とは別に1回ごと乗るたびにお金がかかるので乗り物券とパックになっているものを購入。それを使って3〜4時間あれば全制覇できる。
朝10時頃行ってお昼を挟み1日で満喫するのにちょうどいい。
小さくて短めのジェットコースター。
メリーゴーランド。
スーパーチェア。
バイキング。
どれもこれも懐かしさを感じるものばかりの昔ながらの遊園地といったところだ。
そんな乗り物の中のひとつがバルーンサイクルだった。
8基ある乗り物は音楽と共に上昇しクルクル回る。その名の通り風船の形をしていて足元のペダルを漕げばさらに上へあがる。
プカプカ浮かんでいるように見えるのが可愛らしい。
小学生以上なら子供のみもOKだったのでこれに子供たちは2人で乗った。
息子が本気で漕ぐからずっと上がりっぱなし。
ずっと漕いでいるね〜なんて夫と話しながら見上げる。
時折り手を振りながら。
目で追っているのは子供たちだけど思い浮かぶのは若かりし頃の父と母の姿だった。
今よりかなり髪の多い父は外出するときなぜか色付きのサングラスをしていた。それを外して眩しそうな表情をこちらに向けている。
母は腰の真ん前にウエストポーチを着けて背中にはリュックというスタイル。あせたピンク色のそれはお世辞にもオシャレとは言えない。
頻繁に出す物ををこっちへ入れると便利なんだよ
私には野暮ったく見えたけどそう話す母は満面の笑みだった。
ぼんやりと2人を思い出しながら子供達を眺める。きっと父や母もこんな風に思ったに違いない。
大きくなったなあ
あの眩しそうな父の表情はまさにそれを表していたんだと気づく。
そしてそれは夫の両親とて同じに違いないだろう。
その後それぞれの実家へお土産を渡しがてら行って、遊園地の話しをしたらあなた達が小さい頃連れて行ったと、どちらからも言われた。
やっぱりどの家も行くんだねとか、あの時はまだ高速が途中までしかなくて道が混んだものだよとか、家族でのたわいもない会話は遊園地で感じた穏やかで温かな空気と同じもの。
成長した子供たちを乗せ5月の爽やかな空に浮かんだバルーンサイクルは胸いっぱいにノスタルジックな気分にさせてくれた。
私はまた行きたいけれど次はディズニーをリクエストされているからちょっとの寂しさを含み膨らんだバルーンはいつまでも自分の胸の中で飛ばし続けようと思う。
♢
GW中訪れた遊園地は昭和にタイムスリップしたような場所でした。
なんとも言えないあの雰囲気が私は好きだし色んなことを思い出させてくれました。
子供も楽しめたみたいですが今年までかなといった様子でやっぱりディズニーやUSJなどもっと広くて新しいとこへ行きたいみたいです。
欲を言えば親子3代で行けたらいいな〜なんて思うのですが。
子供たちが大人になった時に思い出してくれたらそれでじゅうぶんなのかも知れません。
とにかく5月中にこれを書けてよかったです。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
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