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漱石と梅雨
こんにちは。
今日は、久々に梅雨の晴れ間!
洗濯物も、カラッと乾き、嬉しい限りです。
そういえば、北海道には梅雨がないんです。
東京に越してきた時、こちらの人にそう言うと、驚かれたりもしましたが。
逆に、私の方は、「梅雨って、毎年あるの??」みたいな、梅雨が何かを、よく分かっていなかったものです。
なんとなく、雨が続くと、「梅雨だねぇ」とか言うのかと思っていた。
冬に、よく「今年は、雪が多いねぇ」っていう、感想のようなものかと。。
そして、思い出すのが、東京に来て、数年たった頃の話。
しばらく、学校へ通っていた時があったのですが、隣の席の男性と、これもまた、梅雨の話をしている時に、
「梅雨の時期は、漱石を読む。いつも雨が降っているから」
と言われて、ハッとしたのです。
前述の通り、北海道には梅雨がないのです。
なので、漱石が好きで、漱石全集も揃えて、さんざん漱石を読んでいたにも関わらず、私は、作品の雨のシーンを、気にしたことがなかったのです。
帰宅後、慌てて、全集をチェックしました。
ほんとだ!
「道草」も「草枕」も、雨の描写があるある。
確か雨の中を電車に乗って、ぐるぐると回りながら、終わっていく作品もあったような。「それから」だったかな?
ちょっと、記憶が不確かですが。
とにかく、北海道にいた私は、この雨が、感覚的に理解できず、よって、学生の頃は、読み飛ばしていたみたいなのです。
今なら、わかります。
東京で、15年生活した今なら。
この、ジトっとする陰気な、外に出るのも憂鬱で、息の詰まるような、梅雨の重苦しさが、わかるようになりました。
主人公の気を滅入らせ、同時に、漱石も癇に障っていたであろう、この梅雨。
漱石が、ロンドンの天気が、雨ばかりで、英国留学は楽しくなかったというのは、有名なお話ですが。
作中の雨には、全く注目していなかった自分にも、驚きました。
言われて、読み直してみると、雨のシーンはめちゃめちゃ、重要で、それによって、主人公の心情が表現されている箇所が、幾つもありました。
そして、東京に住んで、梅雨を経験して、ようやく漱石を体感できた気がしたのでした。
知らないっていうのは、自分が知らないことを知らないから、味わい方が浅いことにも、気が付かないんだなと思った、貴重な経験です。
梅雨は嫌だけど、久しぶりに、また、漱石を読み返したい気になってきました。
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