見出し画像

同級生である川満武徳のドキュメンタリー「Beyond the Despair」を観て


初めに

今回は地元の同級生、川満武徳が5月にオーストラリアのバックヤードウルトラに挑戦した映像を観た感想をまとめる。
昨年、世界記録が誕生したこの大会で「生きるってどういうことだろう?」「希望ってどこにあるんだろう?」を探し求めた男の記録を綴ったドキュメンタリーだ。
この感想を忘れないうちに記録したくて、上映後の二次会を途中で抜け出して記事を書いている。

そもそもバックヤードウルトラとは何なのか

バックヤードウルトラは1時間ごとに6.7kmのコースを走り、1時間以内にループ(6.7kmのコース)を完走できないと失格になるレースのことで、最後の1人になるまで走り続ける過酷な競技だ。
1時間のうちに6.7kmを走り、余った時間で休息する。
世界記録はなんと108ループ(724.3km)という、とてもじゃないけど普通の人には考えられない距離だ。
今回の大会はオーストラリアのブリスベン郊外で開催された「Dead Cow Gully」というバックヤードウルトラの大会である。

1200エーカーの広大な私有地をコースとした「Dead Cow Gully」

この映像を観て思ったこと

今回このドキュメンタリーは
「なぜ人は挑戦して、なぜ挑戦をやめるのか」という視点で観ました。
ティザーになりますがぜひ見てください。
映像としてもクオリティめちゃ高いです。

人は挑戦している時に何を感じるのだろうか。
挑戦の先には自身の限界を超える瞬間がある。
限界を超えない挑戦は、すでに経験していることであり、挑戦とは言えないことが多いのではないか。
例えば、初めてマラソンに挑戦する人が10kmに挑戦し、次にハーフマラソン、そしてフルマラソンと自分の限界を超える挑戦を続けることが本当の挑戦だ。
同じ10kmのマラソンに何度も参加することは、取り組みや継続となり、視点や目的次第では挑戦と見なされることもあるが、一般的には挑戦とは異なるものだ。

挑戦の先にある限界を超える(知らない世界を知る)ことで人は

  • まだ見ぬ可能性

  • 新しい未来

  • 自身の成長

を感じ、それによって多幸感を得るのではないかと考えている。
しかし挑戦している時はそれと引き換えに

  • 時間

  • お金

  • 体力

といった物を犠牲にしている。
人は「挑戦する」ことで様々なものと引き換えに何かしらのベネフィットを得ているのだ。

ここで重要なものはタイミングである。
多幸感を感じることができるタイミングは、挑戦した先で限界を超えたと認識した瞬間にあるのではないかと考えている。
おそらく達成感や満足感は限界を超えずとも得られることはあるが、限界を超える前と超えた後で得られるものは全くの別物になってくる。
この多幸感は限界を超えたところでしか得られない。

今回の映像で武徳が「いつまで続くのかわからない恐怖」と表現していた。限界を超えるまでは自分の限界という目標があるが、その限界を超えた先は暗闇で、何が起こるかわからない状態が続き、それが恐怖を感じさせたのだろう。
ニーチェの言葉「深淵を覗く時、深淵もまたこちらを覗いているのだ」のように、自分が挑戦した先にある深淵に自分も覗かれていると気づいた時の恐怖ではないかと思う。

挑戦し、限界を越えたまでは良いのだが、その先の闇の中で、まだ知らない世界を一人で進む怖さを目の当たりにした時、足が止まってしまうこともあるだろう。

挑戦の先には闇があり、その闇の先にはまた挑戦が待っている。このエンドレスループを続ける怖さが人生そのものだ。しかし、その怖さを受け入れて続けるのも、怖さに負けて諦めるのも人生だ。

人は無意識に挑戦を繰り返す生き物だ。赤ちゃんの時から挑戦を繰り返し、大人になる。大人になっても挑戦を続けることが人生だが、いつからか挑戦をせず、継続や習慣の渦から抜け出せなくなることもある。

結論

まだ考えはまとまっていないが、生涯にわたって挑戦し続けることが良いか悪いかではなく、いつでも挑戦できる場を作っておくことが重要ではないかと思う。
人それぞれ挑戦してきたことや挫折してきたことがあると思う。
その中で、今もなお挑戦している人もいれば、挑戦することを諦めた人もいる。そうした人たちが再び挑戦したいと思った時にすぐに行動できる場を作ることが、自分の役目であり使命だと感じた。

最後に

今回、初めて同級生という関係性のある人物のドキュメンタリー映像を観たが、チャレンジする人のパワーは伝播するし、自分にも何かできるんじゃないかと思わせてくれた。改めて武徳の挑戦に「お疲れ様」と「ありがとう」を伝えたい。

可愛い三つ葉のそばに自身の名札をかけた
最終的には204人中4位だった武徳

Respect for Takenori Kawamitsu
Photo by Ryoma Yamawaki


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?