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Chappie / NEW CHAPPIE (1999)

1999年から2000年へ、ミレニアムだとか2000年問題だとかで世の中が狂騒の渦だった頃、そんな世間とは無関係なところでどうにもならない出来事に激突し、命はあったけど生きてなかった自分に、遠くに住む大切な友人が編集して贈ってくれたミュージックMD。その冒頭に流れてきた曲がChappieWelcoming Morningだった。

In the welcoming light, we restore minds to one innocence

「かなしみをときぼくはとべる」

"We lost all and creat the beginning with one love we pray"
"Nostalgic new light, yes... we simply name it "MORNING""

「はかないいのちてんにゆれる」

"For someday we'll sing it as an old poet's beautiful phrase"

友人の「朝になったら何があってもお日さんは昇ってくる」という言葉とともに聴いた曲は、こんなにもポップで可愛く明るいものなのに、涙がぼろぼろこぼれてしまった。間違いなく、自分を支えてくれた曲のひとつです。

早口でたたみかけるように歌うので、聞き取りにくいのだけれどどうか歌詞を見ながら聴いてほしい。

Chappieは1994年にデザイン集団GROOVISIONSが生み出した着せ替えキャラクターで、1999年にCDデビュー。アルバムNEW CHAPPIEはそのChappieの”音楽活動”の集大成。渋谷でデザイン学校に通ってた身からすればGROOVISIONSについても触れたくなってしまうけど、長くなるのでここは我慢。

アルバムの参加アーティストは井上陽水、COIL、松本隆、草野マサムネ、小西康陽、川本真琴、細野晴臣、福富幸宏、高野健一、ROUND TABLE、さらには森高千里、田渕ひさ子、山崎まさよし、TIN PAN ALLEYなどなど公式にクレジットされていないものも含めて錚々たるメンバーだ。

曲によって様々なミュージシャンが参加し、歌っている人も別々。七夕の夜、君に逢いたいのように誰が聴いても森高千里だろうというものもあるけれど、基本的に公式では誰か明かされていない。

アルバムは変幻自在のChappieというキャラクターが奏でるものというコンセプに基づき、全曲変化に富んでいる。その中で、先のWelcoming Morningのほかに、水中メガネは必聴だと思う。こちらの作詞は松本隆、作曲は草野正宗。

Chappieバージョンと草野マサムネバージョン、どちらもじんわり滲みるのだけれど、Chappieバージョンの切ないこと切ないこと。


数日前、Chappieの楽曲がストリーミングサービスで配信開始というリリースがあった。ソニーミュージック在籍の1990年代アーティスト音源を配信する「DISCOVER the 90's」の第12弾。これは嬉しい。ワイヨリカも書きたくて下書きにあったんだよなあ。



個人的に結構好きだったのに気づいたらなんかいなくなってた系(たまにいなくなってない系も)ミュージシャンのアルバムや楽曲を掘り起こすシリーズ。ちょっと続けてます。よかったらお付き合いください。

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