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実録!フルリモートスタートアップの LeSS 実践

はじめましてこんにちは。株式会社シャペロンでスクラムマスターを担当している いのもえ です。

シャペロンの開発組織は 20 名足らずと小さめの組織(2023 年 9 月現在)で、会社全体でフルリモート勤務を採用しています。そんな状況で大規模スクラムである LeSS を採用しています。

この記事では、弊社での LeSS 実践の様子やスクラムマスター(SM)として感じていることについてお伝えします。


シャペロンの LeSS 実践状況

こんな感じの構成で進めています。

  • 働く環境:フルリモート

  • 合計チーム数:3

    • 1 チームあたりの人数:4 名程度

    • 各チームの構成メンバー:エンジニアのみ

  • SM の人数:1 名

  • マネージャー:1 名(CTO)

  • スプリント期間:2 週間

  • リリース頻度:3 ヶ月に 1 度

  • アジャイルコーチの支援:あり

導入開始から 1 年ほど経っていて PO と SM は導入開始時点とは違うメンバーが担当しています。
「マネージャー」は階層構造によくある上司ではなく、 LeSS におけるマネージャーの役割を想定しています。ご存知ない方は是非下記をご一読ください!(スクラムらしくて、個人的に好きな考え方が多いです)

SM から見たシャペロンの LeSS 実践振り返り

特にうまくいってると感じていること

在籍メンバーに優秀な人が多く、エンジニアリングやチームビルディング周りでは自走できている範囲が大きいのが特徴かなと感じています!

① 「自己管理チーム」を一部実現できている
現在のシャペロンではデイリースクラムを初めとする、チームが自分たちの管理を行うためのイベントについては自分たちが納得できるやり方を採用、改善しています。例えば、「思ったよりも PBI 消化に時間がかかってしまう」という課題に対して、あるチームではモブプログラミングを通して開発方針を認識合わせしていますし、あるチームではプランニングポーカーを実施しています。たまに状況把握のために観察に行くと、その度にやり方がどんどんブラッシュアップされているのは素晴らしいと思います。開発プロセス全てを自分たちで管理できている、と言い切れるわけではありませんが、管理できる範囲は着実に増えていると思います。

② 開発組織全体で改善に取り組めている
オーバーオールレトロスペクティブを開催し、プロダクト部門全体で課題について議論しています。また、このオーバーオールレトロスペクティブでは毎スプリント課題がエスカレーションされる状況にあり、議論の中で出た Next Action について様々な人が改善アクションに取り組んでいます(特定の個人がいつも持ち帰る…にはなっていません)

③ 開発者が主体となって開発プラクティスを取り入れている
シャペロンでは、いくつかのコミュニティを運営しています。コミュニティに所属している人たちが中心となりながら E2E テストの導入やデザインシステムの作成などを自分たちで取り入れています。 
コミュニティについて馴染みがない方は、以下が参考になるかもしれません。

特に課題であると感じていること

フルリモート下での LeSS 実践ですが、意外とフルリモートによる弊害は大きく感じていないのが現状です。

① スプリント毎にリリースできていない
シャペロンがスプリント毎にリリースできない背景には開発組織だけでは解決できない課題(顧客との調整など)も含まれています。今期、全社的にもリリース頻度を短くすることを目標として掲げており、プロダクト部門ではリリース直前に網羅的に手動でテストする作業について自動化を進めています。開発プロセスの中でも特にエンジニアが関わる部分については改善活動が進められていますが、その他の部分についてはまだ課題がありそうです。

② ドキュメントベースのコミュニケーションになっていることが多い
弊社ではフルリモート下での協働なこともあって Notion に細かくまとめる文化が根づいており、 PBI も同様にユースケースや PBI 起票の背景などがまとめられています。これは PBI 作成のリードタイムや受け渡しのオーバーヘッドの発生に繋がり、実際に痛みを感じ始めています。ただし、フルリモートでの協働という観点からは Notion を通じてのコミュニケーションが適している場面もあります。例えば、私が入社した当初は PBI の記載内容にテンプレートがない状態でしたが、途中からテンプレートが導入されました。これにより記載者以外の PBI 把握の一助になっているのを観察できました。今後も引き続きより良い塩梅を探るのが必要だと考えています。

③ プロダクト全体に対する課題を引き出しきれていない
オーバーオールレトロスペクティブの議題がエンジニアが関わる開発プロセスについての課題が多く、企画からプロダクトを届けるまで、プロダクト全体のプロセスに言及されることが少ないのが現状です。クロスファンクショナルチームになりきっていないことも相まって、チームが見る範囲が狭い状況に対して SM が対応しきれていない点にも課題を感じています。ここについては開発を進める上で関連の深い PdM をチームに入れるかどうか、今まさに議論を進めているところです。

We are hiring!

SM から見た LeSS 組織を通じて、弊社の現状が少しでも想像できましたら幸いです!今後も良いところは伸ばし、課題はみんなで解決できるような環境づくりを進めていきたいです 💪
また、弊社に少しでも興味を持っていただけましたら、ぜひ以下の Entrance Book もご覧ください。

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