【本紹介#28】貧乏は悪いことなのか
本日ご紹介するのは、小説です。
大好きな水野先生。水野先生の話はどれも温かくて押し付けがましくなくて、人のネガティブな気持ちもポジティブな気持ちも書いてくれるし
善人も悪人も出てこないところが好きです。
等身大の人がよく描かれていると思います。
この話は、売れない芸人さんとガネーシャ、それから貧乏神さんがメインで登場します。
貧乏神が私の思ってたイメージとは異なり、幸薄い美女さんです。
貧乏神さんは貧乏についてこう言います。
お金で買える喜びは全て他人がつくったものです。
どんなにつらい状況でも、それを楽しもうとする気持ちさえあれば、人は自らの手で喜びを作り出すことができます。
お金がなくても、人は幸せになることができるんです。
お金がないからできない幸せじゃないというのは、単なる他責に過ぎないということでしょうか。
まったく関係ないことはさすがにないでしょう、ある程度の欲望は満たされるのですから。
ただ、お金をもらい自分のために使う喜びだけでなく、人のためになにができるか、人のためにした喜びを感じることができる人間の方が、高尚な感じはしますよね。
とある話によると、人は自分で欲しかったものを買うよりも、人にプレゼントした方が一層強い喜びを感じるのだそうです。
古くからの言葉に「情けは人の為ならず」というものもあります。
人のためだと思ってしたことが、結局は自分のためだったということですよね。
人は社会の中で生きていくものですから、まずは自分の大切な人の喜びのために行動してみるのもいいかもしれません。
そんな風に思わせてくれる本でした。
以上、みかんでした。
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