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ウィーンのクリスマスマーケット~最新情報!

クリスマス・シーズン、皆さんどのようにお過ごしですか。
MIYAKOです。

久しぶりにウィーンから現地の風をお送りします!

現地から「ウィーンの今」を歴史なども織り交ぜながらご紹介しています。ウイーンに来られなくても、いっしょに楽しんでください!

アップデートしたクリスマス最新情報をお送りします!

ウィーン市庁舎前広場のクリスマスマーケット 〈ウィーンで最も有名なクリスマスマーケット〉

まず、ウィーンのクリスマスマーケットと言えば一番おすすめされることが多い「ウィーン市庁舎広場のクリスマスマーケット」

19世紀後半に建てられた堂々たるゴシック折衷様式の市庁舎の前の広場に遊園地のような空間が広がります!

おとぎ話のような小屋が立ち並びます。

市庁舎の向かい側にはやはり19世紀後半に建てられたルネサンス折衷様式の「ブルグ劇場」

クリスマスマーケットは「アドベント」の期間に開催

クリスマスのほぼ4週間前の「アドベント」と言われる時期。ヨーロッパではクリスマスが来るのを待つためにいろいろな準備をする風習があります。

クリスマス時期のリース「アドベント・クランツ」4週間前の日曜日からろうそくを1本ずつ灯していきます。

「アドベント・カレンダー」12月1日から24日まで24の扉を開けていくカレンダー。開けるとお菓子などの小さなプレゼントが入っています。

そしてクリスマスマーケットもクリスマスの4つ前の週末からオープンし、クリスマスイブの日まで開かれます。

クリマスマーケットの起源は?

クリスマスマーケットはドイツ・オーストリアで中世以前から行われていた1年最後の日用品や食料品を手に入れる市場が発祥だと言われています。


最古と言われるフライユング・クリスキンデル・マルクト

文献が残っているなかでは、ドイツのドレスデンの1434年のクリスマスマーケットが起源だと言われているのですが、ウィーンの新聞では、すでに1296年にウィーンでクリスマスマーケットがあったことが紹介されています。1310年のミュンヘン説や、1393年のフランクフルト説もあるということで、各都市がしのぎを削っているようです!でも、市場ってヨーロッパ中で行われていたと思うので、これを突きとめるのはきっと難しいですね(笑)

最古と言われるフライユング・クリスキンデル・マルクト

ちなみに、オーストリアではクリスマスマーケットのことを「CHRISTKINDLMARKT」クリスキンデル・マルクトといいます。24日の夜にプレゼントを持ってくるのがクリスキンデル(キリストの天使)サンタクロースではありません。(カトリックとプロテスタントの話になるのですが、これはまたの機会に。)

クリマスマーケットって何を売ってるの?おすすめはクリスマスの伝統的なもの

基本的には伝統のお菓子や食べ物・飲み物、クリスマスツリーの飾り、その他おもちゃなどです。

また、手作りア-ト作品を中心としたコンセプトのあるクリマスマーケットもあり、特におすすめです。後ほど紹介しますね!

さて、「市庁舎前広場のクリスマスマーケット」をすこしのぞいてみましょう。

クリスマスマーケットの代名詞は何といってもクリスマスの飾り。年々増えている、派手なプラスチックの飾りの中にあって、ひときわ目を引くのがこのような伝統的な木彫りのフィギュアです。

実はクリスマスツリーをクリスマスに飾るのは、19世紀前半から広まった風習で、以前は写真のような聖書の話に出てくるフィギュアを飾っていたと言われています。

聖書に出てくる聖人はもとより、一番ポピュラーなのは聖母マリアが小さな小屋でキリストを生んだシーンを木彫りの模型で表現した「クリッペ」

たとえば、18世紀にオーストリアを治めた女帝マリア・テレジアやその娘で後にフランス国王ルイ16世の后となるマリーアントワネットは、クリスマスツリーでなく、このクリッペをクリスマスに飾っていたということですね。

次は、コチラのスタンド。

クリスマスマーケットの代表的なお菓子といえばレーブクーヘン(ジンジャークッキー)ですが、こちらはオーストリアそれぞれの地方にあるペストリー。

「どこの地方の何」と書かれています。私の一押しは、一番左の「Buchtel」ブフテル。ふかふかしたパンのなかにアンズジャムかプラムジャム(これもウィーンの定番ジャム)が入っています。

こんなペストリーを買って食べながらマーケットを見歩くのも醍醐味。

クリスマスマーケットの最近のトレンド 1 〈ペットにもクリスマス・プレゼント!〉

伝統のあるものは一番のお勧めですが、毎年来ているとやはりその年のトレンドも分かります!

最近はこんな物を売っている小屋も出始めました。

なんだかわかりますか?

そ-なんですが、実は、犬猫ちゃんのための、クリスマスクッキーなんです!もちろん有機栽培で添加物なし!ちゃんとその旨の説明と証明書付き!

このお店はドイツ・ミュンヘンからの出店で、毎年ウィーンのこのクリスマスマーケットにしかお店を出さないそうです!インターネットでも買えない、貴重なお店です!

我が家のクリスマスにもワンちゃんが2匹来るので、プレゼントに購入しました:))

カールズ教会広場のクリマスマーケット〈アート・クリスマスマーケット〉

昨今、クリスマスマーケットの大部分を占める外国産のプラスチック製品の山に飽き飽きした、と嘆く地元の人に人気が高いのが、カールズ教会広場の工芸品のクリスマスマーケット。アートなものを売るスタンドがメインのクリスマスマーケットです。

カールズ教会は18世紀に建てられたイタリアン・バロック建築。広場を挟んで向かい側にはオット―ワーグナーによるユーゲント・シュティールカールズプラッツ駅舎楽友協会もあります。
(これらについて詳しく知りたい方は記事「ウィ-ンの今#5-カ-ルス広場とオット-・ワーグナ-」をご覧ください。)

広場の中心にはロバなどと遊べる広場が毎年設けられ、子供たちに大変人気のあるクリスマスマーケットでもあります。私も子供が小さいころ、毎年常連でした(笑)

とりあえず、クリスマスマーケットの定番クリスマス・プンチを飲もう。

クリスマスマーケットの最近のトレンド 2 〈有機栽培のドリンク〉

オーストリアの(ドイツも)クリスマスマーケットの定番飲み物と言えば、グリューワインとクリスマス・プンチ

グリューワインは甘いホットワイン。クリスマス・プンチはワインも入っていますが、ラムも入っています。そして、クリスマスのスパイスといわれる、シナモン、グローブなど。そして、オレンジなどフルーツの果汁。バロック時代(16-18世紀頃)は東方から運ばれてくるこれらのスパイスは貴重品でした。だから、クリスマスなどの特別な機会にだけ使用できたのですね。

この小屋で出している飲み物は、全て有機栽培のもの。これも、最近の傾向です。

もちろん子供用に、アルコールフリーのプンチもあります。それと、私用(笑)ウィーン郊外の農家さんが出店していて、自家製のアップルプンチはおすすめ!

そして、飲み物を飲んだら忘れてはいけないのは、マグカップをチェックすること!

カールズ教会広場のクリスマスマーケットのマグカップ・デザインは今年一番かわいい!

ウィーンでは、毎年、それぞれのクリスマスマーケットがオリジナルのマグカップをデザインします。いろいろなデザインが楽しめますが、お土産っぽくない、ステキなデザインはここカールズプラッツが一押しです!

また、買うシステムも面白い。最初は7ユーロ払ってマグカップごとドリンクを買い、どこにもっていって飲んでも(家にもっていっても)いいのですが、マグカップをクリスマスマーケット内のスタンドに返すと4ユーロを返してもらうしくみです。

毎年、どこのクリスマスマーケットのマグカップのデザインがいいか、チョットした話題になるのも、アドベントの風物詩!

クリスマスマーケットの最近のトレンド 3 〈オーストリア・アルプスの恵み~伝統の自然派コスメ⁉〉

添加物なしの石鹸や入浴剤を売っているお店は大分前からあるのですが、クリエイティブで可愛くて種類が多くなっています。

地元、アルプスの山々からの自然な恵みー

山岳ハーブやオリーブオイル(はイタリアからかも)、岩塩、木から作られ、それぞれの効能が説明されています。

左からエーデルワイスZIRBENHOLZ(松の木の種類), アルペンハーブアウスセ―地方の岩塩から作られた石鹸。髭剃りやシャンプーにも使える石鹸もあります。

カラフルなネットはパッケージとしてだけではなく、そのままフックなどにかけて使え、泡立てやすいため。おしゃれなだけでなく、使い勝手も考えられているのは感動もの!

入浴剤やシアバターにハーブ成分を含むスキンケア・プロダクト。

お姉さんもいろいろ説明してくれました!(撮影許可も!笑)

全て手作り。そして、ヴィ―ガンもうれしい。ニューヨークや東京でお店だしたくなる!

クリスマスの本当の意味「STILLE」ーそのルーツへ思いをはせる

アートがコンセプトのカールズ教会クリスマスマーケット。木工品のスタンドやアクセサリーのスタンドが多くを占める中、こんなステキなものを売るスタンドを見つけました。

田舎にたたずむ小さな小屋やチャペル。オーストリアの何気ない田舎の景色を描き続けているオーストリアの画家ハンス・シュテフィンの作品です。

カードには、「STILLE」シュティーレという文字。「静かなる」というドイツ語です。

全世界で歌われているクリスマスの歌「きよしこの夜」は、原語では「STILLE NACHT」シュティーレ・ナハトといいます。実は、OBERDORFというオーストリアの小さな田舎で1818年に作られ、その年のクリスマスに小さなチャペルで歌われたのが始まりです。

ヨーロッパからの移民がアメリカにクリスマスの風習を広げ、今や世界中に広がったクリスマスマーケット。おすすめの訪ね方は、そのオリジナルを感じる、ということかなと思います。

現在では商業主義と結び付いてしまっている感が否めないクリスマスですが、本当のクリスマスとは「家族や大切な人と時間を静かにゆっくりと過ごす」ためにある。それが、ヨーロッパのクリスマスです。

皆さんも、ぜひ今年は、日常の喧騒から離れて、静けさの中で自分や大切な人と過ごす「本来のクリスマス」を過ごされてはいかがでしょうか。

アドベントのウィーンより
MIYAKO

なお、ヨーロッパではクリスマスは「幸せを分かち合う」という時期でもあります。下のような企画もしていますので良ければ訪ねてみてください。
応援ありがとうございます!

Miyako_Vienna プライベートメンバーズ X'MAS 2022

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