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歴史ある港町、佐良浜(さらはま) 〜お散歩編〜

 みなさんこんにちは!今回の特集記事では、今日と明日の2回に渡り、宮古島の更なる離島伊良部島に位置する「佐良浜(さらはま)」という地域についてご紹介致します!
 今回紹介する地域として「佐良浜」を選んだ理由は2つあります。
 1つ目は、父方の故郷であるため、私にとって非常に馴染み深い地域であるからです。ただの地域紹介の範囲にとどまらず、よりディープな内容をお届けできると考えました。
 2つ目は、佐良浜に住む私のおじいおばあの生活はまさに、「島の暮らし」のイメージを体現したようなものだからです。多くの人にとって「非日常」である離島ライフが、ここでは「日常」であることを感じていただきたいと思いました。
 それではさっそく佐良浜についてみていきましょう!

1. 地理-佐良浜ってどこ?

 まずはじめに、佐良浜とは一体どこの地域のことを指すのか、私の手書きの宮古島マップで確認しましょう。

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 佐良浜は、宮古島からさらに橋を渡って行く伊良部島の北東に位置します。私が幼い頃には船でしか往来ができませんでしたが、2015年に「伊良部大橋」が開通してからは船は全て廃止になり、車での往来が24時間可能になりました。余談ですが、伊良部大橋は無料で渡れる橋の中では日本一の長さを誇ります。

 伊良部島をさらに細かく見てみましょう。「佐良浜漁港」(オレンジの星)を中心として形成されている「池間添」と「前里添」の2つの集落を総称して「佐良浜」と呼びます(下図参照)。
 ちなみに、伊良部島と下地島は道路のような橋で繋がっており、簡単に行き来することができます。

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2. 佐良浜の町並み

 さて、佐良浜の位置がわかったところで、さっそく佐良浜の美しい町並みをご紹介します!

伊良部大橋

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 伊良部大橋を渡るだけでこの絶景。右も左も果てしない宮古ブルーが広がり、視界一面が「うみ」。十何年も見てきたはずの海なのに、見るたびに思わずため息が出てしまうほどの美しさです。海の色は空模様に影響されるというのは皆さんご存知の事かと思いますが、宮古島の海はちょっとやそっとの曇り空でも宮古ブルーが消えることはありません。
 橋の向こう側に見えているのが伊良部島です。橋を下りて右側が佐良浜方面です。

 ※少しでも本物に近い宮古ブルーを感じてもらうため、加工を一切施さずに写真を掲載しております

ヤマトブー大岩

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 橋を越えると、「ヤマトブー大岩」という名の大岩が姿を現します。大岩と言っても見た目はほとんど崖で、これが岩だとは到底思えないほどです。みゃーくふつ(宮古方言)では「ヤマトゥブーギス」と呼ぶようです。
 この場所は、言葉にできないような神秘的なエネルギーを感じます。ひいおばあの話では、昔この大岩の上の牧山では「にがい」が行われていたのだとか。(「にがい」とは佐良浜に伝わる伝統的な神様への祈りのこと。かなり奥が深いのでいずれ記事にします!)

漁港

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 いよいよ佐良浜に到着すると、まず行ってみて欲しいのは佐良浜漁港。ぜひ一度車を降り、おもいっきり深呼吸をしてください。そして、潮と魚の生臭い香りが体に染み込んでくるのを存分に感じて下さい。私はこの生臭い香りがとても落ち着きます(笑)
 今となっては佐良浜のカツオ漁は県内シェアの8割を占めるほどですが、実は佐良浜でカツオ漁が始まったのは1909年(明治42年)のこと。実に100年以上もの歴史があるんです(伊良部島漁協協同組合HP 参照)。
 この記事のサムネイルにも使用されている上の写真は、漁港から集落を一望した景色です。急斜面の上に家が建てられ、まるでひな壇のように住宅が陳列しています。集落のどの場所にいても港を見渡せるのです。佐良浜の人々は古くから海を信仰し、海に頼り、海と共に生きてきたのが想像できます。

廃船

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 港の奥まで行くと、大迫力の廃船を間近で見ることができます。この船はいったいどこまで航海をしてきたのでしょうか。
 港にある船を観察するのは無心になれて心が安らぐので、邪念を取り払って「無」になりたい人におすすめです。

3. 私のお散歩コース

 佐良浜が歴史ある港町だということがわかったところで、私の「お散歩コースin佐良浜」をご紹介します!
 私の実家は集落のちょうどてっぺん辺りにあるので、港に向かって集落をどんどん下っていくのがお気に入りです。

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 こちらは港まで続く階段の上からの景色です。佐良浜には黄色やグリーン、水色などのパステルカラーで外装を施してある家が多く見られ、歩いているだけでどこかの国に迷い込んだような気分になります。

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 さあ、どんどん下っていきます。

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 階段を最後まで下ると、港に行き着きます。私の家からは最短で5〜10分ほどでしょうか。

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 たくさん歩いた後は座って休憩します。波の音を聞きながらただただぼーっとする時間は、何にも変え難い至福の時間です。

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 私のおすすめは、日が沈む少し前に出発して日の入りを座って見ることです。集落全体がオレンジ色に染まる光景は本当に美しいです。

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 漁船も沢山あります。

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 ただ、一つだけ問題なのは、帰り道は下った分だけ登る必要があるので、

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めちゃくちゃしんどいです(笑)

4. さいごに

 【歴史ある港町、佐良浜】の前編はいかがでしたか?もうすでに佐良浜で散歩がしたくてうずうずしている方もいらっしゃるのではないでしょうか?(笑)
 まだフェリーが運行していた頃、週末には家族で佐良浜のおばあの家に行くのが恒例でした。当時は港から家までを車で登って行くわけですが、その間見える景色も、漁港も、なにも特別なものではないと思っていました。むしろそれが当たり前でした。
 しかし島を出て那覇や関東で暮らし始めると、あの集落も漁港も魚の生臭い香りも漁師たちの賑やかな声も、全てが当たり前ではないことに気がつきました。宮古島に帰省するたびに新しい発見があって、いちいち感動します(笑)きっと宮古島に移住してきた人たちは、この美しさに魅せられたのだなと納得しました。
 書きたいことが多すぎて拙い文章になってしまいましたが、この記事で佐良浜の魅力が少しでも多くの人に伝わったら幸いです!
 さて、明日も佐良浜特集ですが、スペシャルゲストとの対談をご紹介致しますので、ぜひお見逃しなく!!✨

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