20回、その区切りの安らかさ

わたしは新しく何かを始めるときに、とりあえず20回続けてみる、というのを基本姿勢にしている。

19歳のころ、なにかの本で読んだのだ。「20回やっても嫌なら、本当に向いてないからやめていい」と。

大学に入り、はじめて飲食店でバイトを始めたとき、物覚えが悪いわたしに周りのパートさんは軒並み冷ややかで、すごくバイトに行きたくなかった。
そのときに、手帳にシフト20回分のしるしをつけて、「20回来てもまだ心の底から嫌だったら辞めよう」と思っていた。

果たしてわたしは12〜15回くらいでバイトの仕事にも人間にも馴れ、けっきょく4年間続けた。

その後も、新しいことに対する恐怖が湧いてくるたびに、「20回やって本当に死ぬほど嫌だったらやめよう」と思いながら20回やっている。いまのところ、20回やっても馴れなくて嫌だ、やめる、となったケースはない。

わたしは順応性が低いので、新しい物事に対する反射的な嫌悪感がある。そうした感情は横に置いて、とりあえず20回、と回数で区切ることはわたしにとってとても効果的だった。

わたしが新しい習慣として続けているのは、会社に行く前に百ます計算を1〜3問解くことだ。5月の半ばから始めたのだが、これも最初は義務感だった。目に見えて衰えている計算力を鍛え直そうと思ったのだ。

しかし途中から本気で楽しくなってしまって、いまや朝の百ます計算の時間を作るために、朝食を省略したりお弁当を前日の夜に詰めておいたりしている。

計算を始めてから、ほかの勉強の暗記もしやすくなった。そして、なぜかパニックになることが減った。わたしは昔からわからないことの解決方法がわからないと、すぐに恐慌をきたしていたのだけど、わからなくてもある程度おちついて考えられるようになってきた。思考がクリアーなのだ。

自分の精神衛生のためにも勉強のためにも、このまま計算は続けていきたいと思う。精神安定させたい大人の方はぜひ。おすすめは小学6年生用の百ます計算です。本屋に売ってます。

(今日のBGM)
ecosystem「ラブレター・フロム・何か?」
https://youtu.be/uc4apmeK5FM

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