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#130 オーガニック給食をどう進めるか? 〜フランス・ブリュ市の事例から


フランス初の 100% オーガニック認定セントラル キッチンである Bruz市の事例紹介のオンラインセミナーに参加しました。

「給食が果たせる教育的役割 ~100%オーガニック給食センターの元センター長に聞く~」 主催:法人こどもと農がつながる給食だんだん
<受付終了>

そのセミナーに先駆けて2021年7月3日にフジェールで行われたオーガニック地元の集団ケータリングのためのブルターニュでの会合のYoutube動画が参考動画として紹介がありましたので、その内容について今回は触れたいと思います。


登壇されているのは、
セントラルキッチン責任者のジャン・ジャック・ゲリエ氏
ガエル・フロンタン - 購買マネージャー
グレゴリー・ファション - オーガニック市場のサプライヤー
オリヴィエ・ロエランジェ - 星を取り戻した三ツ星シェフ、カンカルのスパイス作曲家、コレクティフ・レ・ピエ・ダン・ル・プラのゴッドファーザー
主催者は、SCIC Nourrir l’avenir の栄養士トレーナー、Collectif les Pieds dans le Plat の管理者である Isabelle Bretegnier という顔ぶれです。

ブリュ市の給食センターの概要

今回のお話に登場するのは、1350食を提供している給食センターで、調理員は10人体制です。地場産率70%で、食材はオーガニック100%となっています。この動画は、調理員と栄養士が中心となって、国と自治体に対して政策提言を行なうため、議員に対して働きかけようとする活動の一環という内容でした。

2009年にジャン・ジャック氏が調理センターに赴任し、給食をなんとかオーガニックにできないと、と取り組みを始めるところから話が始まります。調査の結果、当時は肉が多い献立であったため、まずは動物性タンパク質を削減する必要性があると考えたそうです。
一度にオーガニック100%にするわけにはいかず、まずはパンから始め、順次、野菜、調味料、ミルクといった具合に拡大。オーガニック野菜を使う際には、下処理の充実が必要となり、皮剥き機を導入したということです。
日本では、現在、納入される野菜の規格を揃えている現場が多いので、逆にオーガニックになると不揃いの野菜処理が発生して、皮剥き機が使えなくなるのでは?という話もあるので、面白いですね。

フランスは公共調達(=入札)が原則

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