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ラグビーW杯日本代表が伝えてくれた「ONE TEAM」の意味と仲間の存在意義

こんなに面白いんだ、、、

ラグビーをじっくり見た素直な感想です。ただ、これはラグビーに限った話ではなく、アメフトにせよ、バスケにせよ、トレーナーとして関わって競技をじっくり見るようになると、いつも持つ所感かな。

一流選手の動きはやはり特別です。美しくてたくましい・・・そんな言葉に形容されるくらい、ぎゅっと集中した無駄のない所作は見とれるほどだなと思います。

■スクールウォーズに感化されて

世代ではないのですが、僕がラグビーに一番最初に触れたのは『スクールウォーズ』でした。陸上部の長距離チームが共同生活をしていた中島アパート(通称ジマ)の食堂にDVDが全巻置いてあって、それで知ったのが最初。多少の脚色はあるにせよ、事実に基づいた話しということに衝撃を受け、ますます体育会系のメンタルが強化されたのは言うまでもありません笑

当時は「ラグビー」というスポーツ以上に不良たちが変わっていく「人間模様」のほうが強烈に印象に残っていました。スポーツが持つ教育力には様々な側面があると思いますが、かなり際立ったケースですよね。同じ研究室の同期にもラグビー部の友人がいましたが、競技についてあまり多くは語らなかったので、ラグビーという競技自体は全くの「素人」で、今回のW杯の盛り上がりに乗じた「にわかファン」だと自覚してます笑


■ONE TEAMというスローガンが意味するもの

今回のW杯はベスト8という目標を掲げ、予選グループ全勝という立派な成績で見事に決勝トーナメント進出。予選リーグの最終戦で死闘を繰り広げたアイルランドですらW杯での最高成績は「ベスト8」なので、その目標の高さ、そしてそれを超えることの大変さが容易に想像できます。 

ただ、勝てば勝ったでさらに上のステージで戦っている姿を見てみたいと思うものです。ファンもさらなる高みを期待していましたが、世界の壁は本当に高かったですね。

南アフリカ戦は残念ながら負けてしまいましたが、個人的に印象に残ったのは試合後のトンプソン・ルーク選手の言葉でした。代表から一度離れたにも関わらず、自国開催のW杯のために代表に復帰した38歳のラガーマンです。

僕も所詮にわかファンなので、彼がどんな選手で、どういう経緯で今に至るかは十分に知る由もありません。ただ、やはり長い年月に裏打ちされた言葉の重みは、”にわか”であっても十分に伝わってきました。南アフリカ戦の敗戦はすなはちチームの解散を意味する。だからこそ、ここまで代表を続けてこれた喜びや負けた悔しさだけじゃなくて、「寂しさ」が湧き出てきたんでしょうね。

家族と写っている写真は本当に素敵です。今回のW杯では「たくさんのものを犠牲にしてきた」という言葉が節々で際立ちましたが、単に苦しいとか、きついとかだけじゃなく、家族との時間や経済的負担も含めて「犠牲」という言葉を使ったんじゃないかなと思います。

ラグビーには「One for All, All for One」というスローガンが有名ですが、その想いをさらに凝縮させたのが「ONE TEAM」なのかもしれません。


■仲間の存在

もはや、自分の昔話を引き合いに出すのが申し訳ないくらいですが、このチームを思うコメントを聞いた瞬間に、胸が熱くなりました。4年間という限られた時間の中だからこそ、必死になってやってきた仲間が僕にもいたからです。以前noteの記事でも書かせてもらいましたが、今でもはっきり覚えているエピソードの一つです。

卒業式も終わり、みんなで寝食を共にしたアパートから出る時に、クロカワがくれた手紙を改めて読ませてもらいました。お互いに若く、熱く、そして苦労を共にしてきたことがよく綴られた文章で、読みながらいろんな思いが込み上げてきました。

唐突に手紙なんか書いてごめん。なんか言いたいことがいっぱいあったんだけど、上手く話せてなかったから、文章にすることにしました。さっきか一行書くたびに泣けてきて、全然筆が進まない。浩太の出発に間に合うか微妙なところです(笑)

・・・(中略)・・・

「下級生のころよく辞めたいって思っていた」って話、したよね。お世辞じゃなくて、僕が4年間続けられたのは浩太のおかげだと思ってるんだ。1年の冬頃、○○が休部した時のこと覚えてる?2人で説得しに行ったよね。あの時僕は、本当に情けない話だけど、形の上では引き止めながらも、「正直僕らのような5000mで17分台そこそこの”力のない選手”が辞めても、チームとしては大して困らないだろうな」みたいなことを本心では思ってた。浩太が本気で○○のことを説得するのを見て、「あぁ、こんな奴もいるんだな。僕もつまんないこと考えてないで、悔いのないようにがんばんなきゃ」ってちょっと恥ずかしくなったのを覚えている。

その少し後(3月上旬だったかな)、2人でJOGしたとき(覚えてる?)さ、浩太がこんなこと言ったんだよ。「やっぱり、競技続けるって、辛いよね。でもさ、辛かった分だけ、自分の糧になり引退した時の喜びに変わるんだろうね。僕はせっかく一緒のチームになったんだから、みんなで一緒に走りたいし、みんなで引退したい」って。あの時「本当にそうだな、辛いけど絶対みんなで引退したいな」って、まんまと浩太の口車に乗せられてその気になってしまたわけですよ。(笑)それまでは、「辞めてもいいかな」って結構安易に考えていた気がする。2年の春と、3年の春にスランプに陥って走れなくなった時期があったけど、なんとか乗り越えられたのも、あの時の会話のおかげだと思う。

思えば磐梯で50km走を走ったときも、はじめて5000mで16分半切ったときも、浩太はいつも「格下の選手」みたいな見方をしないで、対等のチームメイトとして評価してくれていた気がする。浩太の姿勢は僕にとって物凄いプレッシャーだったけど、チームに居場所を作ってくれたし、いつか予選会に出て本当に対等にチームの役に立ちたいなって思わせてくれた(←要は踊らされているだけだが笑)

・・・(中略)・・・

引退して辛さが喜びになった実感は全然なく、ただ寂しいとだけ思う。この経験が、人生の糧になっているのかな?まぁあと10年くらいしたら分かるんだろうね。浩太は「高校の時の方が辛かった」って言ってたけど、高校時代までぬるま湯の中で生きてきた僕にとっては、ものすごくハードで充実した、いい大学生活でした。これも浩太のおかげです。辛い時は励ましてくれたし、図に乗ってる時は釘をさしてくれた(笑)借りばっかり作って、全然返せなかったなぁ。今まで本当にありがとう。

読み返してみると、我ながら全然まとまりがなくて意味不明だけど、今の状況では遂行するにも限界がありそうなので、これで封をします。また、どっかでJOGでもしよう。神奈川の坂でも、さ。元気でね。自分のことを第一に考えるべし。自愛。ではまた。

大学を卒業してこれからどうなるんだろうという不安もある中で、そっと彼が渡してくれた手紙をこっそり読んだ時、思わずうるっときました。当然ながら、文字になってない嫌なこともいっぱいしちゃってただろうし、僕はそんなに善人じゃないので良く書き過ぎです。

でも、一緒に頑張れた4年間にこういう意味があったんだなと察したし、きっとクロカワも察してくれたと思ってます。(もうお互いに大学を卒業して10年以上たったしねww)

※本文の掲載はもちろん本人に承諾済みです


■スポーツの魅力

なんだか、ベタな見出しになってしまいましたが、ここでいうところのスポーツの魅力って言葉にもならない”概念”みたいなものだと思っています。苦楽をともにした仲間とは深い「絆」ができました。でも、もちろんそれが最初からあったわけじゃなくて、色々なピンチも乗り越えてきたからこそできた「絆」だと思っています。

今回のラグビーの話と比べるのはおこがましいですね。ただ、あのような舞台に立てるのは限られた人だけですが、スポーツを通して自分の人生の中に大きな意味を持たせる経験は誰にだってできると思っています。

人と人をつなぐものは想いじゃないかな。前回のnoteでも「心」について書きましたが、改めてそんなことを感じました。


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宮川 浩太@RUNNING CLINIC院長
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