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#38 それでも応援したくなる

見ていなかった、私が悪い。

2018年シーズン日本ハムは、西武ライオンズから首位を奪還できなかった。1度も1位になることができないまま、特に夏場から失速したと言われている。確かにそうだったと思う。2.5ゲーム差まで縮めながらも勝てなかった、8月3日の西武ライオンズ戦。3日からの三連戦で、結果としては日ハムは1勝2敗の負け越しだった。

この日、山賊をこのままやっつけるんだ!くらいに多分ファンは思っていた。少なくとも、私がいた外野スタンドのビジターエリアの空気はそうだった。7回まで来て「よし!このまま逃げ切れるぞ!」と思いながら見ていた打球が、石井一成選手がキャッチし「うん、ダブルプレーでチェンジだな!」と思った瞬間に一塁への送球が大きく逸れた。結果として逆転とされこの日は負けてしまった。

周りの空気が一瞬にして凍りついた。みんなが「今、何があったの?」という感じでグラウンドの中を見つめていた。見ていたはずなのに、その瞬間を見逃していた気がする。次の瞬間には「嘘だろー!」「おいー!」「マジかよ、、、」というような言葉がため息交じりで口々に出ていた。そして、西武ドームのビジター以外の330度取り囲む西武ファンの歓喜の声がすごかった。日ハムファンのため息がそれに全部かき消されていた。

契約更改の時も、オフシーズンのインタビューでも、石井一成=西武戦でのエラーみたいな感じでセットで話題とされていた。本人だって契約更改の場で「評価に値しないシーズンだった」と悔しさを口にしていた。

忘れたくても決して忘れることのできないあのシーンが、彼が次のステップを踏み出すきっかけになることを信じている。

これは、栗山監督の著書「稚心を去る」に書かれていた、石井選手への言葉。<一つのプレーで勝負が決まることはない>という章をこの言葉で締めくくっている。

2019年今まで以上に注目しよう!と思っていたら、アリゾナでの練習試合、沖縄での紅白戦、阪神との練習試合、全てにおいて調子が良かった。紅白戦では3安打3打点と打つ方でもアピールしている。嬉しい、単純に嬉しい。2017年ではエラーした後泣いてベンチに戻って来たりもした石井選手。チーム内やファンには「ピンくん」と呼ばれてて、実家がコメ農家で仲良しの横尾選手がお茶碗に米粒が残していると叱るピンくん。内野手争いも、ヤクルトから来た谷内くんもいるからほんと激化している。なんとか、なんとか、この2年の悔しさを糧に2019年シーズンも頑張って欲しい。そして、この8月3日から確信している私の西武ドームに行くと負ける説もなんとか今シーズン払拭したいものだ。


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