見出し画像

遠い記憶 三十六話

その時、私は,永くて、果てしないトンネルの中にいた様に思う。
上手くいかないと言う時は、重なる物である。
それまで、私は仕事を掛け持ちで、営業の仕事をしていた。
何のキャリアの無い一介の主婦が営業の仕事とは、中々
上手くいく物では無かった。
初めの頃は、ピンポンダッシュも良くしたものである。
何回か、辞めようかなとも思ったが、子供が背中を見ていると思うと
出来なくて辞めたお母さんとは、思われたく無かった。
辞めてくれるなと言われたら、辞めようと思った。
まさか、
その時、思った言葉が現実になるとは、本当に言葉の強さを感じる。

ここから先は

2,256字

¥ 100

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?