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002|道具1つから始めるワイヤーワーク| #DIYとか工作とか #展示技術講座

とりいそぎ授業の流れが作れる文章を沢山作成するため、記事内には多数の準備できてない画像があります。ご了承ください。

こんにちは、普段は美術館などで展覧会の技術的な仕事をしている宮路です。色々な大学でちょっとした講座なんかもやってます。講座用の教材として、なおかつDIYerにも使えるちょっとした記事を書いていきます。工具や材料、方法や基礎知識なんかについて書いていこうと思います。

本記事を何かのワークショップや授業でお使いになりたい方はご自由に(出典、URLの共有お願いいたします)。

どんな講座をしているのか興味のある方は以下の記事がオススメです。
デザイン科向けですので色々な人が読んで面白い記事になっていると思います。

また、この記事はあくまでオススメの方法や著者の考え方を紹介するにとどまります。世の中には色々な道具や方法論があるので参考までにとどめておいてください。

もし何か補足や間違いなどあれば教えていただけると嬉しいです。多くの人の参考になりやすい記事を目指して書いていきますのでよろしくお願いいたします。


すぐに始められるワイヤーワーク

DIYとしては木工のイメージがすごく強いのですが、ワイヤーが使えるとできることも多いなと思います。また、ワイヤーは危険で取り扱いが難しい反面、道具ひとつから始められるハードルの低さがあります。

上記のリンクの道具を買えばワイヤーを切ってスリーブをかしめることができます。最初のワイヤーワークは「切る、かしめる」です。ワイヤーはワイヤーカッターという専用の道具でしか切れないと考えてください(無理やり切る方法はあります)。上のリンクの道具は挟む部分の根本のほうにワイヤーカッターがついています。

下のリンクはワイヤーを切る専門の道具です。上の方で紹介したものと違い、挟む部分の端っこのほうで切れます。すでに設置されたワイヤーを切るのに便利です。また、切る専門の道具だけあって、大量にきるのはこちらのが楽です。色々ありますが、今回は軽いものを紹介します。

切るは聞き馴染みがあり、わかりやすかったと思います。では、かしめるとは何でしょうか?かしめるとは、ワイヤーどうしを固定(くっつける)作業と言ってよいかなと思います。下のリンクのような筒状の金属に2本のワイヤーを通して、筒を潰して圧着します。

かしめるにはスリーブという材料が必要です(スリーブは筒とか袖状の形のことです)。最初は太さが0.8~2.0mmくらいのワイヤーを使うことが多いと思います。3mm以上はかしめるのに大きな工具が必要になります。

かしめる作業の動画を共有します。ちょっとワイヤー径が太いですが作業内容はほぼ同じです。動画では3点かしめていますが、細いワイヤーの場合はスリーブが短いので1~2点しかかしめれないと思います。

雑学ですが、オーストラリアだと吊りものをするための資格がありスエージ(かしめ)にもルールがあります。潰す箇所やスリーブの個数も重さに合わせてきまってるようでした。また、潰してから3~5秒数えてました。しっかりスリーブの形がワイヤーに馴染むのを待ってる感じなんだと思います。

基本の「切ってかしめる」以外に色々なことができるのがワイヤーワークの良いところです。それではワイヤーワークに使える金具?材料?を紹介していきます(英語だとまとめてhardwareだった気がします)。

(基本的にはモノタロウのが色々そろうのですが、リンクから画像が生成されないのでアマゾンのリンクを貼っていきます)

リーズロック|簡単長さ調整

まずはリーズロックから、とても良く使う金具?です。学生は20個入りを4人で買うなどするとちょっとお安くなるのでおすすめです。

公式に使い方動画があったので紹介します。

動画の補足をすると、吊りものなどでロック方向に大きな負荷がかかるとピンが食込み過ぎていることがあります。アンロックのためにペンチなどを使うのはできるだけ避けましょう!ピンが折れます。

上記の写真のように赤いまるの部分までピンが来てると相当固いです。そうなっていたら青い矢印の方向、ロックと反対側に引っ張ってあげてください。食い込み過ぎたピンが緩みます。それから指でピンを引いてあげるとワイヤーがロック方向にも動かせるようになります。

他にも沢山面白い金具があるので軽めに紹介していきます。

組み合わせると面白いパーツの数々

スリーブとアイボルトの組み合わせ

ワイヤークリップ

個人的には使用頻度は低いですが、スリーブに近いことができます。基本は2個以上同時に使ってください。クリップの締め込みでワイヤーがほつれます。1個目のクリップで固定し2個目でほつれを防止します。

ステンレスのものとステンレスワイヤーを使えば野外でもある程度信頼があります。建築現場で良く使われている印象です。また、見た目がゴツくなるのでDIYの時にアクセントとして使ったりする人もいそうだなと思いました。

アイボルトとアイナット

アイは目を意味するeyeからきていたはずです。英語でもそのままで通じます。アイボルトとアイナットが使えると、アンカーなどにワイヤーの固定箇所を作ることができます(状況にあわせて後ほど紹介するシャックルも使ってください)。

ネジというのは色んなところに隠れています。建築の中にも天井裏やコンクリート壁の中にあらかじめネジやネジ穴がある場合もあります。モニターやプロジェクターなどの機械にもネジ穴は沢山あります。(後日、ネジについての記事を書きリンクを追加します)

色々あるネジについての記事(書いたらリンク追加します)

アイボルトとアイナットは建築や機械など「ネジの機構」をもつモノとワイヤーを繋げてくれるジョイントになってくれる金具と言って良いかなと思います。色々できそうな気がしますね。

シャックルとターンバックル

アイボルトやアイナットがワイヤーとネジの中間の役割をしたのに対して、シャックルやターンバックルにはもう少し機能があるかと思います。まずは上のリンクのような金具、シャックルから紹介します。

シャックルは、イメージ的には取り外しできる関節のような感じでしょうか。ワイヤーと荷物の連結や、1本のワイヤーを途中から2本に分岐させる時などに使われたりします。素早く連結と解除が行えるのが特徴です。

ターンバックルはイメージしやすいと思いますが、長さ調整やワイヤーにテンションをかけるのに使いやすいです。アイ(丸が閉じてるもの)とフックの組み合わせがあるので使い分けましょう。片側が逆ネジになっているのも特徴です!逆ネジどうしのパーツがくっついていることで真ん中のパーツを回転させることで伸び縮みさせることができます。

仕組みを紹介してくださってる動画があったので共有します。

吊りものの高さを凄く微妙に調整したい時にはリーズロックより使いやすいかなと思います。ただし、存在感があるので視界に入りにくいところにターンバックルがくるように注意します。

また、水平にワイヤーを壁から壁にはるときにしっかりテンションをかけたい時などに使います。ターンバックルを長い状態に設定し、ワイヤーをできるだけテンションをかけて設置します。そのあとにターンバックルを縮めるとターンバックル無しではできないほどのテンションをかけることができます。

使用頻度は低いけどまだまだあります

サーキュラースリーブ

アマゾンでは種類が無いのでモノタロウで買うのがオススメです。基本的にはワイヤーの途中に粒をつくったり、末端のほつれ防止処理をするのに利用します。2本通してスリーブと同じようにも使えます。

スリーブと違い、後で調整できたりするので、使いこなせば可能性が広がります。ですが、ちょっと強度が弱いのが注意点です。基本的にネジは時間が経つとゆるみます。

ワイヤー用のフック

ピクチャーレールなどで使ったことがある人も多いと思います。リーズロックのように1方向にのみロックがかかります。アンロックできるので長さ調整も可能です。あまり種類がないのが注意点です。適合するワイヤーの太さに注意して購入してください。

ちょっとした小技

ここまで、ワイヤーと一緒に使うために作られた金具などを紹介してきましたが、ワイヤーのために作られてない材料や金具も一緒に使うことができます。ワイヤーワークの可能性をもっともっと広げていきましょう。

チューブを通してみる

ホームセンターで買った柔らかいチューブ

例えば、古い家屋の梁(はり)などにワイヤーをクルッとかけて物を吊るしたいとします。ワイヤーは金属ですので木材に傷をつけます。そういった時には梁側にガードを当てるのも手ですが、チューブを使うと簡単かもです。

梁とは違いますが、ワイヤーで木材を固定している時の画像です。傷つきやすい木の部分にチューブがあたるように設置します。ワイヤーはチューブにめり込みますが木には傷をつけません。もちろん、吊り下げるものの重量によります。必要であれば板やゴムなどの保護材を追加してください。

怪我や事故に注意しましょう

ワイヤーワークは色々な可能性を秘めていることが伝わっていれば幸いです。ただし、ケガや事故も多いので十分に注意して資料してください。

ワイヤーの端部の画像(後日追加

ワイヤーは細い金属の集合です。柔らかい針を大量に束ねたものでもあります。端のほうが簡単に手に刺さりやすいので注意してください。

ゴミの処理に注意しよう

ワイヤーは金属です。短く切ったものを床や机の上にばらまけば、床や机の上に針をばらまいているようなものです。金属ごみを入れるボックスをきちんと用意してから利用すると良いかと思います。

ワイヤーの切れ端の散らばった画像(後日追加

もしばらまいて閉まったら、テープなどでペタペタして集めるのが良いのかなと。もっと良い方法をご存じの方がいれば教えていただければと思います。

また、金属ですので通電します。コンセントタップの近くで切るとすごい危険そうですよね?機材や基盤の周りも要注意です。廃熱するために空気を吸い込むための穴が開いている機材がワイヤーの切れっぱしが入り、基盤に乗ってショートして壊れる可能性もあります。

テンションかけて切るな

これは実際にケガをした人を見たことがあります。水平にターンバックルを使い100kg以上のものをぶら下げるために設置されたワイヤーを切った人がいました。切った瞬間ワイヤーが暴れて顔にあたりケガをしました。目に入らなかったのが不幸中の幸いです。

ターンバックルでテンションがかけられてる場合は、しっかり緩めてから切るようにしてください。ものが吊られて荷重でテンションがかかっている場合も同じです。つられているものをリフトアップするなどしてテンションを緩めてから切るのが安全です。

テンションがかかってる画像(後日追加

テンションがかかっている状態でワイヤーを切るということは、次にどんな動きをするのか予測が使かないという意味でもあるかなと。「テンションかけて切るな」はルールかしても良いと思います。他も危険行為があればコメントいただけると嬉しいです。

落下事故注意

ワイヤーはものを吊るす作業の時によく使われます。吊っていあるということは落ちる可能性があるということです。

吊ってあるものが吊られた力で崩壊したり、角度が変わって一部分が分離して落ちてきたりする場合もります。

落下の危険を表す画像(後日追加

吊元側、吊られているモノ側の両方のワイヤーの接続部分に十分な強度がないとワイヤーが上部でも落ちてきます。吊ってあるものが落ちる場合以外にも吊元である天井や梁的な何かが壊れる。アンカーが抜けるというった失敗もありえます。

吊り強度のボトルネックの画像(後日追加

DIYを楽しんでいる人がラジオペンチなどでスリーブをつぶしていて、しっかりかしめられておらず落下事故がおこった話もよく聞きます。また、リーズロックが古く壊れてないかなども注意しましょう。

落下事故をいうのは原因が複合的で1か所見逃すと起こってしまう事故です。勘がつかめるまでは、吊したいものより重いもので実験をしたり、テストで吊るして人が近づかない期間をもうけたりと安全対策することをおすすめします。

まとめ

ワイヤーワークは少ない道具から始められるので最初のほうのDIYとしてハードルが低いです。しかも、リーズロックやターンバックルなどの小物も多くできることが沢山あります。チューブや滑車など普通はワイーやに使わないものと組み合わせると凄く可能性が広がります。

ただし、金属に大きなテンションをかけることもできるため事故も起こりやすい材料でもあります。特に吊りものをする時は間違っても落ちて他人に怪我をさせないようにしましょう。

サポートされると、自分も他の人をサポートしてみようかな?という気になります。また、自分の文章の価値を感じれてとても嬉しい気持ちになります。