180818_撮影会-153

僕が「季節」を手に入れた時の話

ポートレート撮影をしてきました。モデルさんは約2年前に撮影させてもらってた子で、すごく久しぶりに会った。撮影も楽しかったし、その子との再開も楽しかった。オールドレンズの撮影を色々実験することもできて充実した日だった。

写真撮影自体は2015年の頭から、仕事の延長として始めましたが、2016年の4月くらいからポートレート撮影を定期的にやるようになった。2017年は個人的に撮影量がピークに達し、日付・人物別に分けたフォルダが92個になっているので、1年間で92件のポートレート撮影をしたことになる。2018年も現在で44フォルダあるので、もはや僕の生活の一部になっている。

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撮り始めの頃、撮影技術がまったくないときは、ただただカメラの設定や、モデルさんのポージングなどに四苦八苦していた。ただ、写真はデータが残り、あとから色々と確認ができるので、その分PDCAが回るのも早く、上達スピードはそこそこ早かったと思う。

2016年の夏、現在でもMV撮影などで親交のある氏家エイミーにお願いをして、撮影をしたことがあった。知り合いだったから、撮影はリラックスできるだろうと思い、他の要素を入れてみたくなった。そして、「ひまわり畑で撮らせてほしい」と言って撮影をした。

この時のひまわりは、実はピークを過ぎた頃で、ちょっと元気がなく下をむいたものが多かった。分からないように背景をボカしたりしたが、「あー、あと1~2週間早ければ、元気なひまわりで撮影できたのかなー」と、少し悔やんだ。

その時僕は、ちょっと今までにない感覚を覚えた。今が、夏であることを認識したのだ。そして、ひまわりがキレイに咲く時期のことを、意識したのだ。

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中学生まではゲーム少年、高校ではJ-POP音楽を家で聞くだけ、学生時代は主にインドア系のサークル活動に興じていて、社会人ではコンサートホールの舞台袖で働く。思えば僕は、今まで季節を感じるようなことを、一切してこなかった。

今が何月何日で、春夏秋冬のいつであるかというのは、もちろん把握して生きてきたはずだった。それでも、僕の中にあったのは、単純な「寒暖差」程度のものだった。寒暖差以上に、「春だなぁ」「夏だなぁ」「秋だなぁ」「冬だなぁ」というのを意識する瞬間など、30歳を超えるまでなかったと言っていい。

それが、写真撮影の背景を意識することによって、僕は季節を認識するようになった。

「温暖化が進んだから、紅葉なんて見なくなったよね」と、学生時代に言っていた記憶がある。そんな僕が、2016年11月に、紅葉をバックに写真を撮った。紅葉は、僕が探さなかっただけで、ちゃんと見つかったのだ。この撮影の時、撮影をしながら「秋ってなんてキレイなんだろう」って思った。

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日本にいれば当たり前にある、四季というもの。興味がなかったら、そんな当たり前のものも認識すらしていなかった。だが、それは僕が生まれるずっと前から変わらずにそこにあった。ただただ、僕が見ようとしていなかっただけなのだ。

写真撮影をすることになって、僕は「季節」を手に入れた。そして今後一生、それをなくすことはないだろう。

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