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僕の人生におけるTVゲームの話

先日、スマートフォンアプリで「アークザラッドR」というゲームの配信が始まった。僕は普段スマホゲームなんて興味もないのだが、この作品はプレイしたいと強く思っていた。ちょうど2日前にダウンロードし、現在ドハマリ中である。無課金の予定であるが、いかんせん敵が強すぎてすぐ死んでしまう。

「アークザラッド」シリーズは90年台のJ-RPGとしてはかなり有名な作品だと思う。特にⅡが人気で、僕も小学生だか中学生のころに友達から借りたアークザラッドⅡにハマり、「ちょこ」を覚醒させたいが為にⅠを中古で購入するくらいハマった。ちなみにちょこはⅠでネックレスを装備させて育てたため、レベル60の時点でHPをが600を超えていたのを今でも覚えている。

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僕は中学3年生でモー娘。をキッカケにJ-POP音楽を聞きはじめ、将来は音楽に携わる仕事をしようと思うようになった。だが、中学2年までの僕は、典型的なゲーム少年だった。外で遊ぶよりも家の中でゲームをする方が好き。特にRPGが好きだったため、色々なRPGをプレイしていた。

スーパーファミコンでは、エストポリス伝記、ナイトガンダム物語外伝2円卓の騎士、FF6、聖剣伝説3、ライブ・ア・ライブ、MOTHER2、トルネコの大冒険、風来のシレン。プレイステーションでは、アークザラッド1・2、モンスターファーム1・2、スターオーシャンセカンドストーリー、ブレイブフェンサー武蔵伝あたりは特に記憶に残っている。もちろんポケモンもめちゃめちゃやった。

更に、大好きだったのは「RPGツクール」というソフト。これは、自分で自分の好きなようにRPGツクールを作って自分でプレイできるという画期的なものだった。スーパーファミコンで2が、プレイステーションで3が発売され両方ともかなりの時間を費やしたが、結局1本も完成させられなかったのはいい思い出である。でも、武器や魔法の名前を考えたり、主人公やラスボスの設定を作っていくのはワクワクしていた。

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最近になって、当時の僕はなんでこんなにゲームばかりを、RPGばかりをしていたのかというのを少し考えることがある。特に、色々な人と話をしていると、昔やっていたゲームは、桃鉄・マリオカート・マリオパーティ・スマブラなど、いわゆる「パーティーゲーム」だという人が多い印象を受ける。RPGをめっちゃやっていた人がそこまで周りに多くないのだ。

僕は、小学校3年生の終わりに、父親の都合で引っ越しをした。東京から栃木に行くことになったのだ。なので僕は、東京の小学校の友達とは3年しか一緒じゃなかったし、栃木の友達とは4年生から一緒だったので、この多感な時期に、少し人間関係のクッションがあるのだ。正直、小学校4年生の時の僕は、ちょっと浮いた存在だったと思う。もちろんその後高校卒業まで栃木にいたので友達もできたのだが、「引っ越してきた人」という自覚症状は取れることはなかった。

そうなると、「友達と外で遊ぶ」というのはかなりハードルが高くなり、家の中で遊ぶことになる。特に、友達の家に行くならパーティーゲームもできると思うが、僕は一人で自分の家でゲームをしていた。僕の家には「あっちの部屋」という名前の物置兼ゲーム部屋があったので、割と自由な時間が多かった。一人でやるゲームは、自然とRPGになると思う。

RPGは、敵を倒すのがメインの目的であったが、僕は少し違って、ストーリーを追いかけるというのがとても好きだった。自分は主人公を操作して、ゲームの世界を自由に歩けまわる。そうすると、その主人公の人生を、物語を体験できる。自分は家の中にいるのに、ゲームの中には素晴らしいファンタジーな世界が広がっていて、自分の意思でその中を移動できるのだ。

だから、難易度が高すぎてレベル上げをしなくてはいけなくなったり、メインのストーリーそっちのけでやりこみ要素があるゲームよりは、ストレートに物語を楽し方が好きだった。たまにストーリーが全然進めない状態になると、「この主人公はなんでこんな旅をしているんだっけ?」と冒険の目的を忘れそうになる。僕に必要なのはこの先の物語を解き明かしていくことであって、強くなって敵を倒すことが主目的ではなかったのだ。

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友達がなかなかできなかった僕は、ゲームの中の世界に、自分の居場所を求めていたのかもしれない。そして、そんなゲームの中の世界で、主人公のストーリーを進めていくことで、僕は自分の世界を広げていったんだろうと思う。それが僕の、幼い頃のゲームの役割だった。

実際、音楽が好きになってからは、クラスの友達と、音楽という共通言語を介して会話ができるようになったので、そこからは僕のリアルの人生というストーリーが進んでいったと思うし、だからこそ僕は音楽に感謝しているし、それがキッカケで音楽の仕事をしようと思うようになった。でも、ゲームが好きだった頃の僕は、任天堂やエニックスに就職してゲームデザイナーになると言っていた気がする。僕の人生に一番影響を与えたのは音楽だが、僕の人生を支えてくれていたのはTVゲームという存在だったと思う。

会社を辞めて3年経ち、ようやく周りを色々見渡せるようになった段階で、アークザラッドシリーズの新作が出たというのは、縁を感じざるを得ない。僕は今、中学校以前の自分の記憶を、アークザラッドをプレイすることで少しずつ取り戻している。そして、10年以上の時を経て、僕は新しい物語を、少しずつ読み進めているのだ。


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