見出し画像

股関節(9)FAI(股関節インピンジメント症候群)

FAIは2003年に、スイスのGanzらによって提唱された。大腿骨頭~頚部と臼蓋辺縁の衝突によって、股関節唇の損傷が見られる。FAIには大きく3種類ある。

・キャム型:大腿骨側に問題が生じているパターン
・ピンサー型:寛骨唇側に問題が生じているパターン
・混合型:どちらにも問題があるパターン

(1)症状

キャム型とピンサー型は、先天的な股関節の形状に問題があることで生じることが多い。後天的に発症するケースとしては、日常生活やスポーツ活動において、開排動作(股関節を開く動作、屈曲位での外転・外旋など)や内旋動作のときに、大腿骨頭と臼蓋でインピンジメントが発生し、軟骨組織の軽微損傷が繰り返し発生した結果に発症する等が考えられる。

症状としては、鼠径部や、大腿前方の疼痛が見られる。痛みの種類としては、股関節の奥から感じられる。股関節を屈曲・内旋させると、痛みが増幅されることが多い。FAIでは大腿骨頭が前方変位しており、さきほどの股関節の屈曲・内旋動作の可動域制限を引き起こしているとされる。

(2)チェック方法

・股関節と膝を90°に屈曲した状態で、股関節を内転・内旋へ誘導する。

画像1

・上の状態から、さらに股関節に長軸方向の圧を加えて、膝を完全屈曲させる。この方法では股関節後方の関節唇損傷も確認することができる

画像2

ここから先は

1,179字 / 3画像
単発の有料記事を月に3本以上読まれるのであればこちらのマガジンに登録されたほうがお得です。 月額1980円です。 初月は無料となりますのでまずはお試し(^^)/

Anatomy Special Magazine

¥1,980 / 月 初月無料

解剖学に関する記事を月に最低3記事更新していきます。 トレーナー及び運動指導者、健康に関する従事者が楽しめる内容となっております。 レベル…

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?