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アスタキサンチン(1)抗酸化力の秘密

アスタキサンチンは天然成分・カロテノイドの一種で、そのうち赤色の色素である(赤身肉の色味は鉄分が影響しているものであり、必ずしも赤い食物=アスタキサンチンが豊富というわけではない)。非常に優れた抗酸化作用、抗免疫作用で知られているアスタキサンチンは、他の栄養素と比較しても群を抜いた効果があることが分かっている。

(1)アスタキサンチンを多く含む食材

アスタキサンチンを多く含む食材として、よく知られているのは鮭、タコ、カニ、オキアミ等だ。タコはゆでると全体に赤みを帯びるが、通常アスタキサンチンはたんぱく質と結合した状態で、それほど赤身を帯びていない。これが加熱処理によって、たんぱく質とアスタキサンチンが分離され、色素として顕著に表れる。

見てもらうと分かる通り、アスタキサンチンを多く含む食材は、基本的に魚介類が挙げられる。その背景として、魚介類は太陽からの紫外線による酸化を、アスタキサンチンを蓄えることで防いでいるためである。特に太陽の光が差し込みやすい、海深の浅いところに棲息する魚介類は、アスタキサンチンを多く含む傾向が高い。

ちなみに、見た目が赤い(ピンク色に近い)フラミンゴの見た目も、アスタキサンチンの影響とされている。なぜ多く含むかに関しては、魚介類が主食である、生息域の関係上紫外線を浴びやすいためなど諸説ある。

1)アスタキサンチンにフォーカスが当たるようになった背景

アスタキサンチンが注目されるようになった背景に、養殖マダイの存在がある。マダイを養殖する際、アスタキサンチンを多く含む食材をエサとして与えていると、産卵の頻度・卵の孵化数や孵化率によい影響があることが分かったのだ。

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