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【解剖学講座】胸郭出口症候群の特徴、起きやすい人の特徴【シリーズ「胸郭出口症候群」①】

小胸筋の下には走る血管や神経といった組織が通っています。そして、小胸筋が緊張したり硬縮したりすることで、血管・神経を圧迫してしまい、手先のしびれや血流の低下、指先の冷えを起こすというもの。この説明であらかた説明できてしまうんですが、もう少し具体的な症状や、現場で「このクライアントさん、胸郭出口症候群なのでは?」と判断できる状況について紹介していきたいなと思います。

パーソナルトレーニングを受けているクライアントは、変形性膝関節症など重篤なトラブルを抱えていないケースが多いです。ですが、よくよく観察すると自覚がない状態で胸郭出口症候群に陥っている人が、意外なほどにたくさんいます。私が見てきたお客様の中でも、20代女性や40代女性、30代男性と年齢・性別がバラバラにも関わらず、胸郭出口症候群に該当する人を見てきました。

組織の衝突が起きやすい場所3選

胸郭出口症候群において、胸郭周辺で神経・血管といった組織の接触が起きやすい場所は、主に3ヶ所あると言われています。

①前斜角筋と中斜角筋の間

②肋鎖空間(第一肋骨と鎖骨の間)
第一肋骨は触診が難しい場所として知られています。うまく鎖骨の間隙を縫って、潜り込ませるようにしてかろうじて触れることができます。そんな第一肋骨と鎖骨との間も、組織の衝突が起きやすい場所です。

③烏口突起の下、小胸筋後部(背側)にある空間

圧迫されてしまう組織3選

胸郭出口症候群によって圧迫されてしまうのは、次の3つと言われています。

・鎖骨下動脈
・鎖骨下静脈
・腕神経叢

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