【感覚統合】固有覚とパフォーマンス
固有覚は、固有受容覚、深部感覚とも呼ばれる感覚で、身体各部位の位置や動き、関節の曲がり具合、筋出力を感知する。例えば目を閉じて手を前に出し、グー・チョキ・パーなど手の形を変えてみてほしい。大半の人が、自分の出したい手に指を動かすことができるだろう。
急な階段を上り下りするときに、手すりに手をかけるところを想像してほしい。手にはほとんど力を入れておらず、万が一体制を崩して転げ落ちそうになったとき、瞬時に手すりを強く握ることになるだろう。もしも最初から手に力を入れていたら、階段を移動できなくなってしまう。日頃から、身体や手足をどう動かすかという身体動作で、非常に重要な感覚が固有覚である。
(1)概要
固有覚は、筋や関節の深部に存在するセンサーで情報を感知している。固有覚は人体において、力の調節と運動の調整という、2つの大きな役割を持つ。
①力の調節
やわらかい豆腐を手に持つときと、重い荷物を背負うときでは手に込める力は当然異なる。固有覚は筋出力を調整し、その都度適正な力を発揮する。
②運動の調整
学校や会社に遅刻しそうで、自宅から走って駅へ向かう。繊細なハンドクラフトで、ゆっくり丁寧な手作業をする。特に後者では、指にの位置や力加減など微細なバランス調整が必要となる。こうした手先の位置・加減の情報を固有覚が脳へ伝達し、その調整機能を果たしている。
また、固有覚は大きく4種類の感覚に分けられる。
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