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「なかなか痩せない」原因と健康・ダイエットのアドバイス

前回のnoteでは、「太りやすい体質」として遺伝子変異の存在があることを紹介した。肥満遺伝子の遺伝子変異が見られる人は、そうでない人の約5倍のリスクがあるとされている。それでも、運動や食事といった生活習慣の見直しで、健康を維持しつつ減量することは可能だ。

「太りやすい」という悩みと同じ観点で、「なかなか痩せない」という人も少なくない。クライアントからこうした相談を受けた場合、トレーナーサイドでは次のような可能性を想定し、アドバイスをしていきたい(ここでは、「カロリー収支は問題ないはずなのに、体重があまり減らない」という前提で話していく)

(1)肝機能の低下

肝臓は食事から摂取した栄養を代謝し、全身へと送る。脂質の乳化とたんぱく質の分解を促す胆汁を生成するのも肝臓だ。それ以外にも、薬剤に含まれる成分、アルコール等を分解・解毒するのも肝臓の役目である。

このように、肝臓は非常に活動量が多い。基礎代謝のうち、内臓が占める割合は約44%だ。そのうち、肝臓が占める割合は約27%に及ぶ。

肝臓の機能が低下すると、栄養の代謝がうまくいかず、中性脂肪(体脂肪)が身体に蓄積されやすくなる、また、肝臓披露は全身の倦怠感につながり、運動量の低下から筋肉量の低下などにもつながりやすい。

クライアントに対しては、以下の点をヒアリングして肝機能低下の気配がないか探ってみると良いだろう

・普段の飲酒量は多くないか
・食事内容が肝臓に負担のかかるものになっていないか(揚げ物が多い、動物性たんぱく質を過剰に摂取している など)
・睡眠の習慣(睡眠時間が不足している、寝る直前の暴飲暴食がある など)

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