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肩関節複合体(4)肩甲胸郭関節

肩甲胸郭関節は、肩甲骨と胸郭で構成される関節で、肩関節においてもっとも中枢部に位置する関節である。肩甲上腕関節や肩鎖関節、胸鎖関節は関節を通じて結合した骨の間に関節包を構成している。こういった構造を持つ関節を「滑膜関節」と呼ぶが、肩甲胸郭関節はそういった構造により、安定性が保たれている関節ではない。

※滑膜関節の種類
滑膜関節は、主に6種類の関節に分類できる(画像は蝶番関節の例)

・滑走関節(単一の面で関節が互いに接触・稼働する)
・蝶番関節(関節をひとつの軸で動かす)
・車軸関節(回転動作をする関節)
・顆状関節(凸面・凹面を構成する関節面が、互いにはまり込む関係にある関節)
・鞍関節(一方の突出した関節面が鞍の形をしている)
・球関節(接合部分が球状をしている

4月解剖note①

(1)解剖学的特徴

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肩甲上腕リズムにおいて、肩甲骨は上腕骨頭の基盤として作用する。肩甲骨が胸郭上で不安定な場合、上腕骨頭の運動障害が引き起こされ、インピンジメント症候群等のリスクが高まる。胸郭上における肩甲骨のポジションは、胸郭の形状に影響を受けている。それ以上に影響を与えているのが、肩甲骨周辺にある軟部組織だ。

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