眼球運動で脳機能をアップさせる!~集中力&やる気アップにつながるトレーニング~
集中力が続かなかったり、読書のスピードが遅くなったり、文章の理解度が落ちていたり。そんな悩みを抱えている人はいませんか?仕事、勉強、運動とあらゆる場面で、集中力は必要不可欠です。
実は、眼球運動が脳を活性化し、集中力ややる気をアップさせる効果があると言われています。今回は眼球のトレーニング方法を用いて、脳機能をアップさせる方法を紹介します。
(1)眼球運動と脳との関連性
人間は、五感(視覚・聴覚・嗅覚・触覚・味覚)を用いて外界の情報を知り、適切な行動を行っています。このうち、特に多くの情報を受け取っているのが「視覚」です。諸説ありますが、一般的に五感の割合のうち、約80%が視覚と言われるほど、私達は「見る」という行為に頼っているのです。
そして、眼球運動を司っているのが、大脳皮質の前頭葉にある「前頭眼野」です。図を見ると分かりますが、前頭葉の背外側部に位置しています。ここが眼球の随意運動の指示に関わっているのですが、前頭眼野は視覚野・聴覚野・体性感覚野・味覚野・嗅覚野と、脳の様々な部位から情報を受け取ってもいるんです。
それに加えて、前頭眼野は扁桃核、海馬、視床下部、線条体といった部位とも結びついていて、情動や動機づけとも深く関係していると言われています。そのため、眼球運動による前頭眼野の刺激が、集中力のアップややる気の向上に作用するというわけですね。
1)ネットの見過ぎ=集中力低下は視力も関係している?
文部科学省は、定期的に児童の発育や健康状態をまとめた『学校保健統計』というのを発表しています。最新版(2022年3月時点)である令和2年度の調査によると、裸眼の視力が1.0未満の子供の割合は、小学1年生で約4人に1人なのに対して、小学6年生では約半数にまで増えているそうです。
この「裸眼視力1.0未満」の子の数は、小学校・中学校・高校いずれもほぼ毎年増えています。つまり、年々子供達の視力は「下がっている」というわけですね。スマホの普及に従い、至近距離で画面を見たりブルーライトにさらされたりする時間が急速に増えていることが、こうした視力低下の大きな要因と考えられます。
令和2年度学校保健統計調査の公表について
https://www.mext.go.jp/content/20210728-mxt_chousa01-000013187_1.pdf
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Brain Special Magazine
運動指導者の方へ向けて「脳」について理解し、パフォーマンスを高め機能改善などを行えるように学べるコンテンツです。
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