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膝蓋骨の評価とアプローチ。膝蓋骨のアライメントにフォーカスした可動域制限の原因と解消方法

今回は膝蓋骨、つまり膝にあるお皿についてお話しようかなというふうに思います。膝蓋骨はパテラと言われたりします。でもこれ、海外、特にアメリカの解剖実習などでパテラと言っても全然通じないそうです。アメリカではニーキャップと表現すると言われています。パテラとは一体、どのように生まれた言葉なのでしょう…(笑)。

膝蓋骨は人間が四足歩行で膝が曲がっていた状態から二足歩行、つまり膝が伸び切るタイミングで、膝の伸ばし切りや曲げ切子の可動性を有するために生まれてきたものだというふうに言われております。

膝蓋骨の通常の役割は盾、つまり膝を守ることにあるとされています。あとは大腿四頭筋、特に大腿直筋のてこの役割をすることによって、膝関節の屈曲運動の効率性を高めてくれると言われています。

膝蓋骨がうまく稼働することができなくなったりとか、変なポジションに行ってしまったりすると、これは結局膝の曲げ伸ばしがスムーズにできないということに繋がってきます。今回はその評価法とアプローチについて簡単にご紹介していこうかなというふうに思います。

膝蓋骨が外側方向に誘導されやすい理由

まず評価をしていかなければいけないのは、パテラがそもそもこの膝を伸ばしてる状態で動くかどうかです。膝を曲げていくと、パテラはだんだん下方向(足方)に移動してきて、大腿骨との接触面が変化します。

膝を深く曲げてくれば曲げてくるほど、大腿骨との接触面積は大きくなっていきます。これが何を意味するかというと、大腿骨とより大きな面積で膝蓋骨が接するということは、圧が強くなるということです。

膝蓋大腿靭帯など大腿骨と結ばれている靭帯なども、膝を曲げてるときの方が、大腿骨に膝蓋骨がくっつく方向に力が加わります。基本的には膝を曲げるときの方が、パテラの可動性は不足する=動かなくなります。

逆に言うと、膝を伸ばしてるときは、靭帯などの組織や大腿四頭筋は緩んだ状態になりますので、膝蓋骨が最も可能性が高い状態であると言えます。

一般人の方々の大半にみられるアライメント不良の傾向として、外側方向にのみ膝蓋骨の可動性がみられるというものがあります。そもそも人間の足は、骨盤から足がまっすぐ生えて地面に接しているというよりも、骨盤の外側から若干足が内側の方に向かっていく。つまり、やや内転位の状態で立っているのです。

左が正常なアライメントの下肢の状態です

そうすると極端な話、足の付着部よりも内側に向かって伸びているのが骨の形状です。この状態において、内側広筋は相対的に地面に対して垂直に走行している状態となります。そして、外側広筋は外側からななめに走行しています。

そうすると、内側広筋はほぼ垂直に伸びるという状態により、膝蓋骨を内側に引っぱる力がほぼ働かないのです。一方、外側部は斜めに筋肉が走行するため、膝蓋骨を外側に引っ張りやすくなっています。人間は誰しも、歩いているときにこうしたアライメントになっているということを覚えていてください。

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