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脳の地図を書き換える。簡単にできるボディマップ更新方法

脳の中の「身体の地図」を意味するボディマップ。このnoteでも何度か触れていますが、ボディマップと現実の身体にに差があるほど、身体動作にエラーが発生しやすくなり、もしかすると慢性疼痛などの不調につながってしまうかもしれません。

今回の記事は、そんなボディマップを運動初心者でも安全に行える簡単な動作で改善できるかもしれないというお話を、実際のエクササイズも交えて紹介したいと思います。

3種類の筋収縮をおさらい

トレーニングにおいて、大きく3種類の「筋収縮」を耳にすると思います。

・等尺性収縮
・遠心性収縮
・求心性収縮

遠心性収縮は「ネガティブ収縮/エキセントリック収縮」、求心性収縮は「ポジティブ収縮/コンセントリック収縮」と表現した方が、トレーニングをしている人には身近に感じられるかもしれませんね。

ダンベルを手で持っていると仮定した場合、等尺性収縮は肘関節をある程度曲げた状態のまま、ダンベルを持っています。その際、上腕二頭筋の長さに変化はありません。

遠心性収縮は、筋本来の動作方向とは、反対のベクトルに筋線維が伸展していく収縮動作です。ダンベルの負荷に抵抗しつつ、ゆっくり肘関節が伸展していく状態がこれに当たります。この場合、収縮動作ではあるものの、筋はゆっくり伸展していきます。

求心性収縮は、筋の収縮方向に向かって収縮していく動作です。アームカールのような形で、肘関節を屈曲させダンベルを持ち上げます。この場合、上腕二頭筋は収縮しています。

私たちは、トレーニングに限らずこの3つの筋収取を、日常のあらゆるシーンで経験しています。そして、一般的に等尺性収縮>遠心性収縮>求心性収縮の順序で、発揮できる筋力の強さや安定性、怪我のリスクが違うとされているのです。

「ターゲットの筋肉が使えていない感覚」をリセットする

筋トレ初心者や運動習慣がない人に、トレーニング指導をしていると、「ターゲットの筋肉がうまく使えていない」と訴えるケースがあります。スクワットをしているのに、お尻に効いていない。背中の種目をやっていても、腕ばかり使っている気がする。こんな感じです。

視覚や前庭、体性感覚から脳に情報が入力されると、脳はこれらの情報を参考にして、身体を動かしたり痛みを覚えたり、感情を発露したりします。逆に言うと、この3つのいずれか(あるいはすべて)から新たな情報が入ってくることで、情報を元にボディマップが書き換わるのです。そして、ボディマップが更新されることで、皆さんが感じていた違和感が変化するかもしれません。

そして、「ターゲットの筋肉が使えていない感覚」をリセットするのに役立つのが、3種類ある筋収縮のうち、もっとも筋発揮の難易度が低く、安全に行える等尺性収縮なのです。

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