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たんぱく質(アミノ酸)代謝

1)たんぱく質とは

生体の主要構成成分のひとつであり、20種類のアミノ酸がペプチド結合により重合したポリペプチドを基本構造とする。ヒトの体重の約15%はたんぱく質が占め、酵素反応や筋収縮、物質輸送、防御反応などあらゆる化学反応などに関与する。

また、たんぱく質は4 kcal/gの燃焼値をもち、エネルギー源ともなる。食事中のたんぱく質は、その構成アミノ酸によって栄養価が異なる。

必須アミノ酸がバランスよく含まれる動物性食品は栄養価が高い。たんぱく質は加熱・凍結・酸・アルカリ・撹拌などにより変性し、たんぱく質の機能や性質に影響を及ぼす。

2)たんぱく質(アミノ酸)の消化・吸収

食事として摂取したたんぱく質は、その構成要素であるアミノ酸、あるいはアミノ酸が2~3個結合しているだけの低分子物質(ジペプチド,トリペプチド)になってはじめて吸収される。

口腔内で機械的にかみ砕かれたたんぱく質が、最初に化学変化をする場所は胃である。たんぱく質は胃で、塩酸やたんぱく質分解酵素(消化酵素)のペプシンによって高次構造が破壊される。たんぱく質のペプチド結合が切断され、分子量の小さいプロテオース、さらにもっと低分子量のペプトンとよばれるポリペプチドまで加水分解される。

胃の壁細胞から分泌されたプロ酵素であるペプシノーゲンが、胃内の塩酸によって活性化されてペプシンとなり、高次構造を失ったたんぱく質は、アミノ酸が数十個以上結合したポリペプチドに分解される。

ポリペプチドは幽門を通り、十二指腸に移行。膵臓から十二指腸乳頭(ファーター乳頭)を経由して分泌されたたんぱく質分解酵素のプロ酵素・トリプシノーゲン、キモトリプシノーゲンが十二指腸内で活性化されたトリプシン、キモトリプシンにより、アミノ酸数10個以下のオリゴペプチドにまで短縮され、小腸上皮内の刷子緑膜(微絨毛膜)に取り込まれる。

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