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肝臓の機能低下の怖さ〜肝臓ケアの方法〜

体内に存在する臓器のなかでも、特に重要な役割を果たすとされているのが肝臓だ。そのケアのひとつとして、肝臓を「もむ」という手法がある。前回のnoteでも肝臓の働きについて紹介しているが、それ以外の全体の働きにも触れながら、ケアの方法について紹介していきたい。

(1)肝臓の持つ主要な働きと「疲労肝」

肝臓のもつ働きとしては、以下の3種類がよく知られているところだろう。なお、代謝に関してはこちらのnoteでも詳しく紹介している。

①代謝
食品に含まれる栄養素を、使いやすい形へと分解・変換する。

②解毒
アルコールや食品添加物など、人体に有害な物質を無害なものに変え、体外へ排出する。

③胆汁の分泌
胆汁は脂質の消化吸収を助ける。

これ以外にも、肝臓は「アミノ酸を合成してたんぱく質を作る」「消化酵素を作る」「筋・骨といった体組織を維持する」など、合計500以上の働きを持つとも言われている。

なかでも非常に重要なのが「血液のコントロールセンター」という役割だ。骨髄が赤血球を生成するために必要な葉酸、ビタミンB12の貯蔵庫であり、必要に応じて骨髄へそれらを送り出す。そのほか古くなった血液の分解なども行っている。肝臓自体がスポンジのように、血液を多く含む臓器であり、下大静脈や門脈といった重要な血管が通っている。

(2)肝機能低下の怖さ

肝臓が機能低下すると、そのまま血液の質が悪化するのとイコールで、けだるさやだるさの原因にもなりやすい。さらに関機能低下で解毒作用が衰えると、血液中のアンモニアが増え脳障害へ至るケースもある。

こうした疲労状態の肝臓を「疲労肝」と呼ぶこともある。これにより身体で見られるのが「老化」だ。アンチエイジングや若さの維持、元気に毎日を過ごしたいという人にとって、肝臓を労わるというのはとても大事なことだと認識してほしい。

実は、肝臓は最も温度の高い臓器とされている。肝機能が低下すると温度も下がるため、体内をめぐる血液も必然的に低くなる。冷えは万病の元とも言われる通り、肝臓の温度低下=血液の温度低下は、全身に様々な不具合が起きやすくなるのだ(ガンもまた、温度が低いと増殖しやすいとされている)。

そして、肝臓は「沈黙の臓器」と言われる。多機能で働き者なこの臓器は、非常に我慢強く悲鳴を上げにくい。肝臓自体に症状が出てくる頃には、往々にして他の臓器もボロボロとなっており、肝臓自体も処置が施せないほどという悲劇が待っているケースが少なくないのだ。

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