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歩行分析〜ICからMStまで〜

1) IC

スクリーンショット 2020-12-28 17.01.00

振り出した足が約1cm落下し、地面に接地することで床反力が生じる。床反力の衝撃は足関節底、膝関節伸展、股関節屈曲にそれぞれ作用する。

床反力の衝撃をうまくコントロールできない場合、体幹が前傾し臀部が引ける、膝伸展・下腿後傾し膝が過伸展(反張膝や膝ロック)するといったイレギュラーが発生しやすい。

ICでは、次の筋が働き床反力の衝撃を制御する。

・股関節伸展→大臀筋、大内転筋、ハムストリングス
・股関節屈曲→ハムストリングス
・足関節背屈→前脛骨筋

大内転筋は股関節屈曲位で伸展活動に関わり、ICおよびLR、立ち上がり動作等の股関節屈曲位からの伸展活動で重要な筋である。ハムストリングスに近い体積をしているため、股関関節安定・調整よりも大きなパワーを発揮することに向いている。

(1) 評価と対処

ICの筋活動はTSwから準備が始まる。振り出し〜接地を行うステップ訓練等では、接地時に前述のイレギュラー、膝折れが出現してしまった場合は、床反力の制御ができていないと判断できる。

歩行分析および修正時も、正常歩行を意識して「膝を曲げて」「膝を伸ばして」等の膝の過伸展(過屈曲)、股関節屈曲が出た後に修正するのではなく、これらが表出しないための身体の制御を覚えてもらう必要がある。

実際には、足を振り出してから接地した瞬間に、身体を支持できる状態を作るということが重要だ。また下肢の抗重力伸展活動(後述)が弱く、立位などでも荷重を下肢の筋活動で支持する感覚が獲得できていないと、「接地した時の支持感覚」そのものが予測、イメージできていないケースもある。

立位での下肢の抗重力伸展活動による荷重支持の感覚は、歩行はもちろんそれ以外の動作でも、会得すべき重要な感覚だ。

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