筋膜(1)概要と機能
広義における筋膜は、筋肉、骨膜、靱帯、腱や腱膜などを包む膜の全てを指します。筋膜は、全身で細胞の核までつながり、全身にくまなく張り巡らされているのです。
性質
私達の身体は、約70兆個の細胞によって作られ、また細胞は神経細胞、筋肉細胞、上皮細胞、結合組織細胞と専門家されています。このうち、結合組織細胞は筋膜の構成要素である細胞間物質を作る役目を担います。
つまり、筋膜は体内に多数ある結合組織の一部と言えます。
結合組織細胞は、生成する結合組織によってその成分が異なります。例えば血液は、血小板、赤血球、白血球で成り立つでしょう。それと同じで、骨は骨芽細胞と破骨細胞、骨細胞で成り立ちます。
そして、筋膜の成分はそのほぼすべてが線維芽細胞です。
全身を構築する結合組織について
細胞外基質は、水分や結合組織細胞によって付加された基質(糖蛋白、グリコアミノグリカン)および繊維(コラーゲン、エラスチン、レチクリン)で成り立ちます。
糖蛋白はゼリーのような性質を持ち、熱や動きによって溶解する際のエネルギー等を利用して、状態変化させます。
微量の基質は大量の水分と結びつくのですが、水分が少なくゼリー状の要素が強い場合、粘着性の高い性質を帯びます。逆に高湿度で水分が多いと、水に近い性質となり液体・栄養の交換がしやすくなるのです。
細胞間のスペースには、コラーゲン、エラスチン、レチクリンの3繊維が存在します。繊維芽細胞は長さ約300nm、直径約1.5nmの一筋のトロポコラーゲンを生成。これが基質中で捻じり合わされ、三重螺旋のコラーゲン分子を構成します。これがコラーゲン繊維です。
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