漫画原作「LIMITMAN」前編

①市街地
市街地。ビルや住宅地が存在。
金塊の輸送車を巡り、警官達と強化集団ギルガメッシュの戦闘員が銃撃戦。
警官1「ギルガメッシュめ! 」
回転式拳銃を立ち姿勢で撃つ。
戦闘員達もFBドラム(突撃銃)で応戦。戦闘員は、迷彩服、ヘルメット、ミリタリーゴーグルで統一。
警官2「早く強化集団対策班来てくれ! 」
パトカーを盾に射撃。
警官2「? 」
何かが落下するのを確認。
クリンゲ「ヒャッハー! 」
強化集団のメンバーのクリンゲがサーベルの二刀流を持って落下。レザージャケットを着用、好戦的なクリンゲ(イメージ波岡一喜)。
クリンゲ「雑魚共が! 」
異常なジャンプ力と運動能力の高さで警官達を次々と斬る。
警官2「ウッ! 」
斬られて倒れる。
警官1「畜生! 」
反撃。
クリンゲ「甘いぜ! 」
銃弾をジャンプで回避。
クリンゲ「ジエンドだ! 」
警官1の前に着地し、サーベルで斬る付ける。倒れる警官1。
全滅する警官達。
声  「クリンゲ、作戦完了だ。サーベルを下ろせ」
何処からか声が響く。
クリンゲ「チェ、分かったぜ! 」
雑居ビルの屋上。強化集団のメンバーのスプラングが屋上から、先程の一部始終を望遠鏡で見ている。冷静な性格で、メルトンコートを着用しているスプラング(イメージ岸洋佑)。
スプラング「クリンゲ、派手にやり過ぎだぞ」
先程の戦闘があった場所に強化集団対策班の特型警備車とパトカーが到着。
特型警備車から、対策班の隊員達が降りて来る。タクティカルベスト、レッグホルダー、パラクラバ、MP―5マシンガンを装備した隊員達。
パトカーからは、対策班班長の久我明莉(くがあかり)下車。シャープなパンツスーツの明莉(イメージ本田翼)。明莉に敬礼する警官達。
先程の場所では、警官、刑事、鑑識が先に到着。
警官3「久我班長、我々が来た時には全滅していました」
明莉「何て事・・・」
戦闘で殉職した警官達の亡骸、破壊された街を見ながら。

②警視庁・本部
警視庁・本部の画。

③警視庁・警視総監室
警視総監室。
机には、橘大介警視総監と明莉がいる。貫禄のある橘(イメージ石橋凌)。
明莉「橘警視総監、お呼びでしょうか? 」
橘 「うむ、実は強化集団ギルガメッシュの事だが」
明莉「強化集団が何か?」
橘 「超能力者、サイボーグ、遺伝子操作で強化された者達の集合体だ」
回想・念動力で物を動かす者、全身が機械化されている者、軽々と大きな岩を持ち上げる者達の画。
橘 「世界各地で略奪や破壊行為を繰り返し、警視庁でも、急造だが強化集団対策班を作って対処してきたが」
鋭い眼光。
明莉「何か続きがあるのですか?」
明莉の顔のアップ。
橘 「SAT、SIT同様に対強化集団の特殊部隊を創設するが、それまでは、対策班で持ち堪えてもらう」
明莉「(エッ、聞いてないわよ!)」
明莉の心の声。
橘 「久我君には対策班の班長の継続ともう一つ仕事がある」
明莉「? 」
橘 「君にしか、頼めん仕事だ」
腕を組みながら言う。
明莉「何か? 」
額に汗する。
橘 「RIDを知っているかね? 」

④回想・外国の街
外国の街(例、ニューヨーク)。全身影のエージェントが強化集団のロング棒やナイフを持った戦闘員に包囲されている。 
明莉「世界中の科学者、経済、政治の要人によって作られた国際的防衛組織です」
構える影のエージェント。
橘 「そのRIDのエージェントが世界の警察機関の要請で、強化集団の多くを摘発し、成果を挙げている」
襲い来る戦闘員達の攻撃を素早く回避し、反撃に転じる。
素早く、戦闘員の前に移動し、ストレートで攻撃。
橘 「特に、リミットマンと言うエージェントは、多くの強化集団の戦闘員やエージェントを検挙している」
モンタージュ的描写で、影のエージェントが戦闘員を攻撃。
影のエージェントが、強化集団の戦闘員を全員倒している。

⑤警視庁・警視総監室
再び警視総監室。
明莉「と言う事は」
橘 「日本政府がRIDにエージェントの派遣を依頼した」
机に両手を組む。
橘 「君にエージェントのサポートをして欲しい!」
明莉「(エッ?)」
明莉の心の声。

⑥バッティングセンター
会社員や家族連れがバッティングをしている。
声 「畜生! 」
バットにボールが直撃。高く飛ぶボール。
明莉「何で、私は不幸の星に生まれたの! 」
明莉がボールを当てて、鬱憤を晴らす。唖然としている周囲の人々。
明莉「久我明莉! 警視庁キャリアで順調に出世と思ったら、強化集団対策班に異動してお先真っ暗!」
更に、ボールに直撃。
明莉「そして、今度はRIDの御守しなきゃいけないの!」
バットを強く握り、更にボールを打つ。
明莉「アー、今度生まれ変わったら、警察じゃない仕事に就職してやる~! 」
デフォルメ調でバッティングを終了。

⑦廃倉庫
強化集団のアジト。強化集団の戦闘員達が強奪した金塊を車から降ろしている。
クリンゲ「スプラング! 日本の警察は骨のある人間はいねえのか?」
両手を頭の後ろに当てる。
スプラング「クリンゲ、調子に乗るのも今の内だぞ」
冷静に言う。
クリンゲ「何だと!」
目付きが鋭くなる。
スプラング「ヘッドからも、日本での作戦も第二段階に入れと指令がきている。遮る物は何人も容赦せん」
鋭い眼のアップ。

⑧強化集団対策班
対策班の部屋の入口。「強化集団対策班」と看板が建て掛けてある。
内部。ホワイトボード、複数の長机、パソコンが存在。中央に班長の明莉の机。
仕事中の明莉。
明莉「?」
電話が鳴っている事に気付く。
明莉「強化集団対策班班長の久我です」
声 「事務です。RIDのエージェントの方が来ました」
明莉「(来た! RID迎え撃ってやる!)」
明莉の心の声。そして、立ち上がる。

⑨応接室
「応接室」と書かれたプレート。
内部。ソファー、机が設置。ドアを勢いよく開ける明莉。
明莉「アレ?」
カップ麺のアップ。部屋に居たのは、カップ麺を食べる普通の青年。隣には、大きなトランク。
律基「久我明莉(くがあかり)さんですね。RIDの如月律基(きさらぎりつき)と言います~」
箸を置く。RIDのエージェントの如月律基。カジュアルな服装で、おとなしそうな律基(イメージ佐野勇斗)。
明莉「(コイツがエージェント?)」
心の声、制止。
律基「よろしくお願いしまーす」
明莉「こちらこそ、よろしく! 」
我に返る。
律基「では、本題に入りましょう」
懐から、二枚の写真を出す。
律基「スプラングとクリンゲ、金塊や現金輸送車を強奪している強化集団の二人です」
明莉「! 」
二人の写真。
声 「彼等は、ギルガメッシュの活動資金調達担当のエージェントです。、特殊能力は・・・」
回想・警官相手に暴れまわるクリンゲと距離を置くスプラング。
明莉「そんな事分かっています! 貴方の力を借りなくても逮捕します! 」
律基「アッ、はい・・・」
明莉の気迫に押される。
明莉「(よし! 久我明莉の意地を見せたぞ!)」
明莉の心の声。
律基「ですが!」
明莉「何?」
律基右手の人差し指をかざす。
律基「一度だけ、チャンスを下さい! 失敗したら、日本を去ります!」
先程とは違い、真剣な表情の律基。向かい合い、両者の顔を見る明莉と律基。
明莉「分かったわ! 今回だけ言う事を聞きます!」
律基「ありがとうございます」
一礼。
律基「では、スプラングとクリンゲを逮捕する作戦ですが・・・」
明莉「(シマッタ! RIDの術中に嵌った!)」
明莉の心の声。

⑩道路
道路を一台の「NOTE貴金属販売会社」と書かれた輸送トラックが走行。
戦闘員1「目標発見! 」
トランシーバーで状況を報告。
声 「よし! 作戦開始! 」
戦闘員1「了解! 」
行動を開始する戦闘員達。
戦闘員が投げた煙幕弾がトラックの前に投下。トラックの前が煙で覆われる。
運転手「何だ? 」
煙に驚く。
トラックの周囲を戦闘員達が包囲。
戦闘員2「命が欲しければ、トラックの中身を渡してもらおうか! 」
ドアを開け、運転手に銃口を突き付ける。
運転手「ハ、ハイッ」
戦闘員達がトラックから、金塊の入った木の箱を取り出し、ワゴン車に移していく。
木の箱の中、小型の追跡装置が作動。

⑪パトカー・内部
パトカー。運転席に明莉、助手席には律基がいる。
律基の持っていた追跡装置の親機が作動する。
明莉「作戦開始!」
真剣な表情でハンドルを握る。
発進するパトカー。

⑫廃倉庫
廃倉庫。先程のワゴン車から、戦闘員達が木の箱を取り出している。それを見ているスプラングとクリンゲ。
スプラング「おかしい」
クリンゲ「何がだ?」
スプラング「警察が護衛も救援も来なかったんだ?」
クリンゲ「俺達に怖気づいちまったんじゃないか」
ニヤリと笑う。
戦闘員3「大変です!」
スプラング「何だ?」
戦闘員3「金塊が偽物です!」
木の箱の中身が石等にすり替わっている。
クリンゲ「マジでか!」
汗を流し焦る。
戦闘員4「こっちには、追跡装置が!」
スプラング「罠か!」

⑬パトカー・走行中
走行中のパトカー。
律基「アジトが判明しました! 近い距離のNOTE市の廃倉庫です! 」
追跡装置の親機に、アジトの場所が映し出される。
明莉「了解! 私は隊員達と逃走した戦闘員を追うわ!」
律基「僕は踏込んで、エージェントの連中を追います!」
久我明莉、ブレーキをかけて、パトカーを停車。
明莉「分かった!  但し、如月君失敗は許さないからね!」
律基「明莉さん、有難うございます!」
一礼。パトカーを出て、パトカーの後部から大きなトランクを取り出す。トランクを開けて、ミドル丈のパーカー(電子戦闘服)とオープングローブフィンガー(戦闘用グローブ)を取り出す。
律基「全く、ガジェットはこれしか持ってこなかったか!」
真剣な表情になり、電子戦闘服を装着する如月律基。
声 「電子戦闘服装着確認」
機械音の声。戦闘服が律基の身体にフィットする。
続いて、戦闘用グローブを装着。
声 「戦闘用グローブ装着確認」
機械音の声。両手にフィット。
フードを上げる。
律基「よし! 行くぞ!」
目をカッと開く。パトカーを背に前進する律基。