半世紀前、朝鮮戦争特需の時代に作られたレンズを通した光が良かった。
衝動的にオールドレンズを購入しました。
実はタクマーとかのアトムレンズを複数本持っているのですが、大きさもそれなりにあるため結局使わないまま防湿庫の肥やしとなっています。
それでもレンズを買ってしまうんですよね。
きっかけはDopeZineの編集長でもある万城目瞬さんのオールドレンズの記事。
ちなみに僕もDopeZineに参加させていただいております。忙しくてまだ1回しか投稿していませんが…
→写真には季節が映る。そしてストーリーが始まる。
僕の中ではオールドレンズの人です。
最近シネマレンズにも手を出してたし…もう取り返しのつかないレンズ沼の住民です。
→撮るだけでエモさが際立つレンズがあることを知っているか?
この方の写真のフレア「エモッ!」ってなりフレアを入れた写真を撮りたくなっちゃったんですよね。
フレアって?
フレアってレンズ内で光が反射して光源からズレて像が映ることなんです。
像がズレて見えるのでレンズフレアは本来邪魔者として扱われてきました。
現代ではレンズの製造技術が発展しレンズ内の反射が少なくなりフレアがかなり少なくなりました。
なので最新のレンズでは派手なフレアはほとんどでてきません。
しかし、このフレアがオールド感や光源の強さを演出しており、光源を強調する効果としても利用されます。
映画撮影で利用するレンズもあえてオールドレンズが使われていたりします。
つまりフレアはレンズ内で反射した強い光というわけです。
今回はそのオールドレンズで光を撮ってみました。
CANON LENS Serenar 50mm F1.8 I
1951年発売。もう半世紀以上昔のレンズです。
高度経済成長期の予兆が見られはじめた朝鮮戦争特需の時代。
このレンズが実は前から欲しいと思っていた、でも忘れてた。
高度経済成長が始まろうとしていた時代にキヤノンはライカのカメラを追いかけバルナックライカ型のレンジファインダーカメラを作っていました。
代表的なのは「Canon IV」です。
このカメラが発売された時、ついに日本がライカに追いついたと話題になりました。
このカメラは日本のカメラ史を大きく変えた歴史的カメラとなります。
このカメラとほぼ同時に発売されたレンズがCANON LENS Serenar 50mm F1.8 Iです。標準レンズとしてもカメラに付属していました。
(Canon銘とSerenar銘が混在しているようです)
ライカを目標にして作られたカメラの標準レンズがライカを目標にしていないわけがありません。(知らんけど)
キャノンカメラミュージアムで公開されている構成図
(この辺は詳しくないので誰か教えてほしい…)
ライカに憧れたキャノンが設計したレンズ。
これ絶対に手に入れたい!と大学生の頃に考えていました。
この思い出が万城目さんのブログで思い出し、ブログを読んだ日にはポチってました。
本体もいつか手に入れたい。
作例
見て驚くと思いますが、半世紀前のレンズだとは思えない写りの良さです。
当時の日本の開発競争の熱量をうかがえます。
まとめ
想像以上にキレキレ。クリアな写りで驚きました。
特に浅草の提灯の写真は本当に半世紀以上昔のレンズ?ってなるほどの立体感。
レンズは資産とはこの事ですね。
ただこれほど年数が経つとクモリやカビなども気をつけなければならないので、もしオールドレンズを購入するなら防湿庫もあれば便利です。
今は種類も豊富でオールドレンズぐらいの価格で購入できます。
マジで買うことをお勧めします。
カビたりクモったりしたら取り返しがつきませんので…
にしても写りがよかった。それにフランジバックも小さいため小型でお散歩に最適なレンズでした。
定番レンズに仲間入りですね。
日本の朝鮮戦争特需〜高度経済成長期の製品は海外勢を意識し挑戦的な商品が溢れていて、製品設計の背景を思い浮かべると面白いですね。そんな事を思い浮かべながら使う道具は一層愛着が湧きます。
同時期に開発された画期的な商品は、SONYのトランジスタラジオ、東芝の自動電気炊飯器や電子レンジ、スバルの小型自動車360、ホンダのカブ、日清のインスタントラーメン、などなど…どれも画期的で今の日本や世界に根付いたものです。
プロジェクトxが見たくなってきた。
いま、この時代の製品を改めて振り返ってみると新しいアイデアが生まれそうです。
この物好きな性格もあり現在はプロダクトデザイナーとして働いています。
インハウスなので何を作ってるか秘密なのがもどかしいですけどね。
使用機材
いまこのレンズでググってみたらワタナベさんも書いてました。
ぜひこちらの記事も読んで行ってください。
読んでいただけるだけでも大変嬉しいです。もしご支援を頂いた場合は新たなチャレンジへ使わせて頂きます。