はじめて買った車は星空色のフォレスター
スバルブルーを知らない人も多いかもしれない。
スバルといえば誰がなんと言おうとブルー。メーカーカラーなのだ。
「すばる」とはプレアデス星団の和名。
その「すばる」が浮かぶ星空のブルーをイメージした青色がメーカーカラーとなっている。
このブルーをマイカブルーやスバルブルーと呼ぶ。
中央右下が宇宙に浮かんだ「すばる」
よくシェラカップみたいな形と例えられる。
メーカーエンブレムを星空色のボディに浮かべるなんて、おしゃれすぎるだろう。もうこれでキモオタブルーとは呼べないはず。
(でもキモオタブルーという名も嫌いじゃない)
金色ホイールもきっと星のイメージだ。
スバルの青色の車には小学校の頃から憧れていて、チョロQとかミニカーを親にねだって買ってもらった。
金色のホイールを履かせてダートロードを走らせるんだ。泥水を跳ね上げて走るんだ。と小学生の頃から憧れていた。
できるならラリー仕様のラッピングカーがいいと思っていた。
でも大人になるにつれて憧れる車も移り変わることもあった。
ディフェンダー、バハバグ、デロリアン、ミニ…etc
どれもメンテナンスが大変なのを大人になってから知ったw
そしてどれも映画に出てくるような車だ。
でも心の根底にはスバルのインプレッサが思い浮かぶ。
親戚のおじさんが車を手放す、しかも車検付き。大学生の僕はありがたく頂いた。だから実は初めてのマイ車はパジェロミニだったりする。
数回だけ旅をしたが大学生の僕には維持費やガソリン代に耐えられず一度も車検を通さずに手放した。
オートマ3速なのも大変だった…60km/h以上になるとエンジン音が大きすぎてラジオが聞こえないし、スピードも出ないので煽られまくる。
でも林道や細い道ではちょこまかと動けて楽しかった。
パジェロミニを手放して数年経って、社会人になった。
車で遊びにいく余裕も生まれて親から車を借りる事が増えた。乗りたい時に乗れなかったりすると自分の車が欲しくなるものだ。
車を探すようになりディーラーへ行って試乗させてもらった。ディーラーは楽しい。車を買わない常連客の気持ちがわかる。
最新車ならではの快適な室内環境にも憧れた。
でも社会人一年目には200万越えの買い物には勇気がいるし、移動だけで考えれば安い車で十分。安い車を買えばその分の旅ができる。
ネットサーフィンをしていて憧れのインプレッサを思い出した。小学生の憧れの車の中古車はいくらになっているか調べてみた。
本命のGD系の丸目のインプレッサSTIを探したけど個体も少なくプレミア価格だった。
一般的なインプレッサはかなり安くなっていて、手が届く価格の車体もたくさんある。スバルブルーは少し高い。
調べるうちにスバルマイカブルーの車に乗りたくて仕方なくなった。小学生の頃に買ってもらったチョロQを引っ張り出したりした。
毎日のようにスバルの車を調べ上げた。
マイカブルーのサンバーディアスの存在を知り欲しくなったり。まさに「農道のポルシェ」の名をつけるエンジンと駆動をしたレイアウト。でもこの車体はプレミア価格でちょっと高い。
探していくうちに「フォレスターSG5 WRリミテッド」という車を見つけた。
憧れの車と同年代のデザイン。
スバルのマイカブルー。金色ホイール。
見つけた車はラリージャパン2004開催記念限定車だった。
(当時のカタログの表紙)
WRCラリージャパンが初めて開催されたのは2004年。それを記念する限定車だった。
仕事休みに車を見に行きエンジンをかけさせてもらった。
スバルらしい水平対向エンジンの「ドロドロドロ…」という音がする。これだ!って思った。
中古車価格もほどよく安く。
車高が高くて林道に行ける。
荷台が広くて車中泊もできる。
自転車も乗る。
欲しいという気持ちを抑えて値段交渉をするが、車屋の店員さんは僕の気持ちを見抜き、言葉巧みに僕は実印を引き出して書類を完成させた。
こうやってフォレスターとの旅が始まりました。
休みは車に乗って、毎年1.5〜2万キロを日本中を走り回りました。
燃費は街乗り高速どこを走っても安定して10km/Lと意外といい。
ターボでガツンと加速するから高速も安心。
車高が高いので砂地、林道、雪道でも安心して行ける。
この車ならどこへでも行ける。
購入時は9万km。
日本の車検制度では10年以上10万キロ以上の車は維持費も高く、交換部品も多い。それに高温多湿と融雪剤と潮風のある日本…
この車を真剣に維持させていくなら、あらゆるパーツの交換が必要になるし、ターボやミッションの寿命もある。
何度かメンテナンスに出してパーツを交換してもらっていた。調子が悪くなったら工場にお願いして診てもらったりしてなるべく長く乗れるようにした。
4年目になり15万キロを超えた。
ミッションがおかしくなり、ついに道路で止まってしまった。
ディーラーに行って診てもらい乗れるようになったが、確実に寿命が近づいていた。
これからミッションを載せ替えたとしても次はターボがいつ逝ってもおかしくない雰囲気だ。
100万近い金額を出してでも乗り続けるのがいいかもしれない。でも現実的に考えると車代以上の修理費ってなると、次の車を買ったほうがいいかもしれない。という考えも強い。
中古買取屋へ相談すると「メンテナンスをして日本か海外でまた活躍すると思います」と言ってくれた。パーツ取り車体でもどこかのフォレスターにパーツを使ってもらえればいいか。
バラバラになってでも世界に生き残るフォレスターの一分にでもなれば…なんて思ったりした。
最後の旅はフォレスターが得意な悪路を走りに、雪道を走りに行ってきました。
長距離の旅お疲れ様でした。
スバルの開発者様ありがとうございました。
本当に楽しい車でした。
読んでいただけるだけでも大変嬉しいです。もしご支援を頂いた場合は新たなチャレンジへ使わせて頂きます。