見出し画像

からっぽ、ひゃっぽ

もう会うことのないあなたがくれた
甘い甘いお菓子の空き箱

あたしが一人でするのを
黙って口を開けてみてる
その中には何も入ってない
もう埋まることのない空間

そうやってあたしから

なにもかにもを奪い去ったまま

あたしを踏み台にして生きるの?

…忘れてしまえば踏み台にもなれないか

あなたの脳ミソにあたしの裸体と吐息は

残して置いたはずだけど

あなたのそのゴチャゴチャした

機械仕掛けの頭じゃあ

すっかりうっかりリセットされちゃってるかもね

あたしが口を開けてても

その中にもうあれは入ってこなくて

かすかに記憶してるあなたの声だけが脳の中に響く

本当はまたあの台詞をあの声で聞きたい

本当はまた偶然出逢ってしまいたい

口をパクパク空けながら餌を待ってる鯉みたいにまぬけ顔

びちょびちょ音がするのは餌をねだってるから?

それでもね

抱きたいって男はいっぱいいるのよ

なのにいつだって一人だけ一人だけ

思い浮かべるの

あなたが埋めてくれなきゃ

やっぱりあたしはいつまでも、からっぽ。

それでも毎日は進んでいく。

もし偶然出逢えた時に。

あなたの顔が曇っていたら

あなたを踏んで進んでいたのはあたしの方かもしれないわね。

ここまで読んでくれてありがとうございました。

よろしければ、サポートよろしくお願いいたします!楽しいポケモン(子供達)を育てる糧にさせていただきます!