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「広告」に魅了され、それでもゲーム業界を目指したシニアデザイナーのヒストリー

2023新卒採用が始まっています!そこで、ミクシィで働くデザイナーのショートインタビューを公開します。

今日は、デジタルエンターテインメント事業本部に所属するシニアデザイナーのお話です。

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━━自己紹介をお願いします。

福原智学と申します。ミクシィ入社以前はゲーム会社の方で四半世紀近く勤めてまいりました。

アーケード・家庭用ゲーム機・スマホと一通り経験しましたので、「こういうところではこういうのって起きるんだな!」みたいな感覚、経験が培われたのかなと思います。

専門領域としては、主にUIとグラフィックデザインをキャリアとして積んでまいりました。現在は事業本部内でマネージャーを務めています。

━━デザインとの出会いなど、色々とお話を聞かせてください。

大学受験のときに2浪してるんですけど、そのときに「広告」がすごく流行っていたんですよ。

予備校の講師が「ここってこうやって面白いんだよ!」みたいなことを熱量ある感じで語ってくれて。その影響もあり、広告に対してグラフィックでアプローチするような形で専攻を選ぶようになって、大学もそれで入ります。

大学入学後は写真や印刷など、学校に入り浸って色々勉強しました。DTPがグラフィックの現場に入ったタイミングで、学校にもそういうものが置かれていって。で、CGとかにも馴染みがよくて...っていう感じですね。

━━結果としては、広告業界ではなくゲーム業界の道へ。

広告でずーっとやろうとしていました。

でも、大学4年で「さて、就活だ」となったときに「あれ、俺が好きなものってなんだったんだっけ?」と改めて振り返ったんですよ。

そうしたら、幼い頃からの自分のアイデンティティの1つに「セガ好き」っていうのがあって。初めて買ってもらったゲーム機がセガだったんですよ。

━━それはとても印象に残りますよね。

SG-1000っていう、1番最初に出てた...いやもっと前の1980年代のことですね、そうやってセガ好きとして大人になっていくんですけど。大学3〜4年の頃にバーチャファイターが出てきて。

ゲーセンと言えばセガという感じで、ソニックとかも含めて、欧米では任天堂とセガがゲームの覇者みたいな印象で。「そうか!セガに入社できたら世界一の仕事ができんだな!」みたいな。「セガに入社したい!」って。

━━本当に自分が好きなものに立ち返ったと。

「ゲームが好き!」みたいな部分と広告の共通点はなにかと考えて...「あぁ、キャラクターマーチャンダイジングがしたいんだ」と。

ある図像だったり商品に対してストーリーを与えてあげて、より魅力的に見せてあげてお客様の手に届ける、みたいなことが大変面白いんじゃないかと思って。

━━なるほど。

広告業界に入って商品に対してストーリー付けをするよりも、メーカーに入った方が多分幸せなんだろうなと。セガに入社できたら1番幸せなんだろうな...っていう感じで入社面接を受けて、という感じです。

━━学生のときに「ここに身を置くべきだ!」って、鋭い感覚ですよね。

うーん、なんでしょう...なにか思い込みたかったんでしょうね。ただただ不安だったんだと思います、あの頃。

就活と言われましても感っていうか、バイトとかしてグラフィックデザインの事務所に顔出したりとかそういう経験はしてたんですけど。いざ「自分が働くってどういうことだろう?」と考えて。

あとはもう、それこそ20何年前の話なので、そんなに会社を渡り歩くっていうイメージも無くて。

━━働くことの意味を真剣に考えたんですね。

最初に入る会社は重要だなと。大学の先生も「新卒だったらまず大きい会社に行けるように頑張りなさい!」みたいなこと言ってて。「確かに!」なんて、世間知らずな僕はすぐ鵜呑みにしてたんですけど。

━━当時、広告とデザインってどういう関係だったんですか。

えーっと、広告は「商業美術」みたいな感じのカテゴリーで語られていたんですけど。

「純粋芸術としてのデザインと商業に関わるデザイン」みたいなところで、じゃあどういう形が...なんだろう、「本物なの?」じゃないですけど、意味があることなのかみたいなことってよく論じられてたんですね。

━━面白そうな話ですね。

90年代の始めですね。バブルがちょうど弾けました……ぐらいのタイミングです。

バブルが弾ける前は広告にお金を使える企業が多くて、そこに対して表現の深掘りをするし、CM自体も芸術的なフィルムとして海外で評価を受けたりして。CMが芸術として根付いてったんですね、文化的に。

広告代理店の方々が「僕達のしていることはこういう価値のあることなんだ!」とプレゼンスを広げていく。

━━商業に関わるデザインが、その魅力を高めていく。

より多くの人に広めるっていうCM自体の性質と、あとはやっぱり業界として派手だったっていうことがあって、世の中のいろんな人の気持ちを惹きつけていったと思うんですよね。

いろんなタレントさんが一緒になるとか、こういったロケをしてこういう表現をしてきましたとか。デザイン系や美大以外の学生でも、優秀な学生が広告業界にワッと集まる。そういった時代でしたね。

━━当時の、熱気を帯びた様子が伝わってきます。

爛熟期だと思います。80年代後半から90年代の中盤ぐらい。

その後にバブルが弾けて、余波があって……その頃になるとインターネットが台頭してきて、「じゃあインターネットの中での広告表現ってなんだろう?」と考える人達も出てきたりとか。

━━福原さん個人のお話からどんどん逸れてしまって申し訳ないです(笑)

いいですいいです。

━━そんな時代の中で「本当にやりたいことは?」と自問自答した、と。

そうですね。芸術シーンとしてどうだっていうよりも、内省というか「あれ、俺何好きだったかな?」と。

「自分はどんな人なんだろう?」って、土手で膝抱えるのと一緒ですね。


━━ミクシィに入社し、どうですか。

前職と比較して、制作体制が全然違うってのもあるんですけど、サービス系の人がすぐ横にいることが新鮮ですね。

「ゲームを作る」が前提になっている場合は、それに対して「なにをどうしようか」っていう会話が通じるというか、「このときはこうしなきゃいけない!」みたいな共通認識があるんですけど。

ミクシィに入社し、皆さんのお話を聞いてると「なるほどね~!」と思うことも多くて。企画に対するダメ出しも「コミュニケーション設計ができてない」みたいな視点があったり。

━━コミュニケーションサービスとしてどうあるべきか、と。

いわゆるゲームのサイクルというよりは、もっと視野を広げて、「どんなユーザーを巻き込むの?」みたいな視点を意識してることが面白いですね。

━━福原さんは横断的な立ち位置で事業を支援していますよね。

そうですね。タイトルが事業部で分かれてしまうので、そこで組織が縦割りになって各職種で風通しが悪くならないように、横につなげるお仕事をしています。

前職でマネージャーをしていた時期も長いので、そういったところでお役に立てたら良いなと思います。

━━リレーション構築や、ナレッジシェアの取り組みとか。

各事業部やプロジェクトを横断的に連携していって、ナレッジを蓄積したり、どこでどういう状況になったときになにをしたらいいかってのを先回りしてサポートしていく役目です。

クリエイティブでいうと、各チームと連携してアセットを制作すること以外にも、例えば「外部発注をするときは、こういった資料を用意しておくと先方に伝わりやすいよ!」とか、さらには検収の体制をどうしましょうとか。

そういったところのナレッジの共有についても、グループとして積極的に行っています。


━━今日はありがとうございました。最後に、学生にメッセージを。

ミクシィは、いろんな職種の人がすぐ横にいる……関わっている人がたくさんいるので、すごく学びやすい環境だと思うんですよね。僕も中途で入社して「こういうことなんだ!」と学びましたし。

例えばミクシィのゲーム領域で仕事をしていたとしても、そのゲームの仕事をしながら「他のサービスの人ってどういう考えでプロダクトを作ってるんだろう?」みたいなところが垣間見える環境は、ミクシィの強みだと思っています。

「将来、飯をどうやって食っていこう?」と考えたときの参考にしやすいというか。文化というか...ゲーム1色っていう環境ももちろん良いですけど、色々な価値観に触れられるっていうところですよね。そんなところに身を置きたい人……待ってます!