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エッセイ

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#短編小説

新大久保のカラス

新大久保のカラス

新大久保のカラスって
喋れると思うんだよな

コリアンタウンとして有名な街
語学学校なんかもあって
アジア系の留学生がたくさんいる

新大久保

この街のカラスは警戒心が薄くて
結構、近づける 平気でゴミを漁っている

昔、コンビニのビニール袋をくわえて
飛んでるカラスを見たことがある

あれ、ゴミ箱の漁った食料を
袋に入れて運んでたんだと思うんだけど
めちゃくちゃ頭が良い

カラスはそれくらいや

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通信中です

通信中です

私にはよく行くコンビニに
「この人は声優を目指してるに違いない」
と勝手に決めつけてる店員さんがいる

声優さん独特の加工された
"何かを"意識している様な

棒読みの大衆の中では違和感な存在

声帯に自意識の全てを集約させた様な声色

なにか"ゾワゾワ"っとして癖になる

その店員さんが
『いらっしゃいませぇ〜』
と言う度に

『今日も"コンビニ店員役"の練習してるな』

など思い 目指すってイ

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ウチの主人です

ウチの主人です

短編集が好きだ
1冊に30、40の物語がゴロゴロ出てくるような

断片的なのが良い
起承転結になってない感じ
伏線回収みたいなめんどくささもない
想像する余白がある

本日、私は古本チェーン店にて
ルシア・ベルリン
清掃婦のための手引き書を手に取る

レジに向かい会計をしていると
店内の買い取りスペースのような場所で
老婦人が買い取り手続きしている
店員に
『身分を証明するものありますか?』
と聞

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