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一緒に抱きしめて、なんて。

記憶が上書きされるのではなくて、記憶の中に色が増えていく感覚。私の大切なものを、他の誰かにも大切に思ってもらえているんだと、じんわりと心が温かくなる感覚。嬉しさも寂しさも、どちらも確かにある。色んな角度からふわふわと夢のようで、私はまだあの日の延長に居るんだなって思い知った。V-Landに浮遊する魂みたいにふわふわと。遅れて届いた香水をつけて、名前が刻印されたアルバムを眺めて、まだ思い出にしきらないまま、ふわふわと漂っている。

まだどこでも明言されていなかったと思うのだけど、+81で披露される曲は今音楽活動をしていない方々の曲。いつかこのプレイリストにV6の曲も入るのだと、1本目のLove so sweetが公開された時からずっと心の中にあったこと。大好きなV6の曲に新たな命を吹き込んで、トラジャがトラジャらしく踊ってくれることが楽しみで仕方ないのと同時に、ほんの少し寂しさもあったのだと思う。やっぱり寂しいもの。きっともう更新されることのない思い出をそっと宝箱に詰め込んで、誰にも触れられないようにしまい込むようにして抱っこしていたのだけれど、大好きな人たちが触れてくれるのはやっぱり嬉しかったんだ。

オリジナルの振りの良さはそのままに、こんなにも素敵に踊ってくれてありがとう。如恵留くんの手話やしずげんの手とか、たくさん散りばめられた「V6」の文字に泣いちゃった。すごく個人的な感想になっちゃうけれど、Wカイトが向い合せで踊る姿、クルクルと変わるフォーメーション、軽やかなステップや大きく振り切る腕に、なんだかじーんときた。三宅くんの声と宮近くんの声、なんとなく似ているような気がしていて大好きなことを思い出したり。とても楽しそうに口ずさみながら、楽しそうに踊る7人の姿に、これまで何度も何度も聴いてきたこの曲の愛おしさに改めて気付かされるようで、観れば観るほど泣けてくる。

私が、V6もトラジャも、どちらも好きだから言えることなのかもしれない。ううん、きっとそうなんだと思う。私の中にずっと居座っている、意固地なくせに柔な寂しさも、一緒に大切にしてくれているみたいで。大好きな人たちとの記憶を大好きな人たちと共有しているみたいで、やっぱり嬉しかった。

彼方たちが、優しい人たちだってこと知っているから。丁寧に愛を紡ぐ、愛の溢れた人たちだってことも知っているから。だからかな。

またV6の曲を踊ってほしいな。ダンスだけじゃなくて、歌ってほしい曲も色々とある。あまりに勝手だけど、一緒に抱きしめていてほしいな、なんて。欲張りかな。