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「微熱」

あの時と
同じだ

木曜日の16時

打ち砕かれたような後頭部
頬が熱い

今日は
朝から何もカラダに入れていない

いっそどこまで空っぽになれるか
試してみようか...?

でもきっと
抜け殻にはなりきれない

思考よりも先に
あの 煩わしさが
また始まろうとしている

熱によって支配されたカラダがそれを物語り
苛立たしさを覚えた

乾いた喉を潤し
意識を散らそうと
抵抗するも
深く 深く 落ちていく...

戻れない

女であるというコトを
身体で思い知らされ 舌打ちする

目を閉じると
このところ
幾日も見る
同じ夢

記憶の中の私が手にしたのは
月に照らされた
青白いユリの花

留まることへの
不安を抱いていた

手にしている安心感の中にさえ

走りだす感情に身を任せ
ぼんやりと見た蝶の輪郭


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