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妊娠から出産までのあれこれ(妊活編①)

「子どもを作る気が無かったなんてはなしが違う」

夫に言われたこの言葉がずっと引っ掛かっていて、
コロナ禍の中、勤務先で大々的に行われたリストラを運よく免れ、我が家で計画していた海外移住がいったん頓挫し、ただただ社畜と化していた2020年の夏、私はなぜかイライラして、全く子どもが欲しく無かったにもかかわらず夫に上記のことで今後わだかまりを残すのは勘弁と、なかば意地を張って近所の不妊治療専門クリニックへ夫婦で相談に行く。

わたしたちが訪問する約1年前に開業したそのクリニックは、不妊治療専門院というよりは、たまに私が行く美容皮膚科のような佇まいで、不妊やら人工授精やら大概受精という不穏な字面の治療より、肌のしみやら皺やら何とかします、みたいな軽薄な風情を漂わしていて、ここでちゃんと相談できるんか、と少々訝しく思いながら扉を開けた。
(美容皮膚科の先生すみません、いつもお世話になっています)

私は夫のことがとても好きで、
だからこそ「子どもを作る気がなかったなんてはなしが違う」という夫の発言に、とても動揺していた。
もし、結婚前に子どもを作る気が無いと伝えていたならば、私と結婚しなかったのか?と。
結婚前に子どもを持つ、持たないの質問を夫からされた際、私は「どちらでもいい」と確かに答えた。

どちらでもいいの真意は万一妊娠したら、その際は産むぐらいの考えで
基本的に子どもを作る気はなかった。
ただ、そこまで詳細に自分の気持ちを伝えなかった。

子どもはいらないと言い切って、夫から結婚相手として無しの判断を下されるのが怖かったからだ。

その後我々はめでたく結婚し、いわゆるDINKS夫婦として結婚生活を謳歌し、私は子づくり云々に関し、決して忘れたわけではないけれども、気づけば30代後半にさしかかり、夫婦≒子づくりが、夫婦≠子づくりな気分になっていて、
当然ながら夫もそうであると思い込んでいた。

そんなある日の夫からの上記の言葉である。
きっかけは忘れてしまったけど、夫から子どもが欲しいという願望を突如告げられ、私はたいそう驚いた。

欲しいならなぜ今まで何も言ってくれなかったのか、やら、
もう30代後半、自然妊娠できると思っているのか、やら
今の二人の生活になにか不満でもあるのか、やら
子どもを持って、その子の一生に責任が持てるのか、やら
頭で瞬時に思い浮かんだこれらのことを一気に口走っていた気がする。

夫はそんな私に少々面くらいつつも、そんな重い話ではなくて、コロナ禍で海外もしばらく行けないし、自分たちも子どもを持つことを考えるなら年齢的に最後ではないか、というようなことを淡々と述べていた。
私は、育った家庭環境から子どもを持つことに不安があるので、
できれば今のまま二人の生活を継続したいと、初めて本心を打ち明けたのだが夫から上記の発言が返ってきてしまい、大いに動揺した。

そしてなかばやけくそで2020年の8月、近所の不妊治療専門クリニックを訪れることになる。

続きは不妊治療編②で。
いったんきょうはここまで。

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