「天才・たけしの元気が出るテレビ!!」と「大脱走」と「朝日新聞」
これは、1980年代、多分「レイダース失われたアーク」がテレビ放送された1985年頃の実話です。
当時、首都圏の某大学の学生だったM君はビデオデッキをバイトして購入し、大河ドラマを録画視聴するようになり裏番組の「天才・たけしの元気が出るテレビ!!」をリアルタイムで視聴しました。その放送内容はM君の趣向に合ったようで毎週見るようになりました。
他方、M君は上京したのに合わせて「朝日新聞」を購読するようになりました。新聞なんてどれも同じだと思ってたのと書籍広告、特に週刊誌広告が全国紙の中で一番たくさん掲載されていたのが決め手でした。
そして事件は起きます。
当時、「天才・たけしの元気が出るテレビ!!」内で「大脱走」という視聴者参加型の企画があり、参加の決まった視聴者が次々とドイツ軍のコスプレしたスタッフに連行されるオープニング映像が放送されました。
これに朝日新聞のテレビ評論欄が噛みつきます。
曰く「これはナチスドイツのユダヤ人連行と同じだ。悲劇をバラエティにしている。犠牲者への配慮が足りない。ホロコーストを遊びに使うべきではない」。
このコラムを読んでM君は何を思ったか朝日新聞に電話をかけます。
アパートに電話無く大家さんの電話は借り辛く公衆電話から何度かかけた後にようやく繋がりM君は「あの番組は米映画大脱走のパロディでホロコーストとは関係ないですよ。勘違いで批判はないんじゃないですか」と語りました。
朝日新聞の電話口に出て応対した男性は「なら、その意見を書いて読者欄「声」に投稿してください」と言うなり電話を切られたそうです。
以上、後にM君から聞いた1985年頃の実話です。
この件でM君は朝日新聞の購読を中止しましたが、読売新聞は鬼畜巨人の親会社として断固拒絶し、かといって毎日新聞は近くに無くや日経や産経はその購読を止めた朝日新聞の販売店の取り扱いだったため宅配を諦め、結局何を思ったか夕刊紙の「東京スポーツ」を駅で購読するようになりました。
購読の決め手になったのは、当時東京スポーツに連載されていた原康史(桜井康雄)の「激録 日本大戦争」でした。