23歳、いつか好きだった夏。
蓮の花が好きになったのは、21歳のあの夏から。
それまでは花なんて正直あまり好きではなかったし、興味すら無かった。
小さい頃のことを思い出すと、私の母は花を育てるのが好きでよく玄関先に花を生かしていた。
仕事で居ない時、私が1人で留守番をしなければいけない時には必ず花の水遣りを言いつけられて、上からかけちゃ駄目だとか水の量はこのくらいでとか細かいことを言われるのが面倒に感じて時々水を遣らない日があったし、
中学生の頃に母が、私にサボテンを買ってきてくれた時だって、部屋に置いておくだけでいいって言われたから言われた通りにしていたのに、気が付いたら机の上で枯れていた程。
植物を育てるのが本当に苦手だった。
でも23歳の夏、あの人は私を蓮の花のようだと言った。
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