みう

あなたの知らない私のコト、

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23歳、いつか好きだった夏。

蓮の花が好きになったのは、21歳のあの夏から。 それまでは花なんて正直あまり好きではなかったし、興味すら無かった。 小さい頃のことを思い出すと、私の母は花を育てるのが好きでよく玄関先に花を生かしていた。 仕事で居ない時、私が1人で留守番をしなければいけない時には必ず花の水遣りを言いつけられて、上からかけちゃ駄目だとか水の量はこのくらいでとか細かいことを言われるのが面倒に感じて時々水を遣らない日があったし、 中学生の頃に母が、私にサボテンを買ってきてくれた時だって、部屋に置

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    • 14歳、サディストに憧れた冬

      秋の頃にメールを送ったその方からのお返事はとても紳士的で、絵文字や顔文字で文面を飾ることはせず、私との距離感を保ったままのお返事を下さいました。 私は明言こそしなかったのです、自分も縛られてみたいだとか虐められたいだとか、見ず知らずの、しかも親子ほどに年の離れた男性に自分から求めることなんて、はしたない人間だと思われてしまうから。 でも彼は、きっとそれを見透かしていたんです。 その方(これ以降はご主人様とお呼びします) は、何よりも先に「主従関係はお互いに信頼がないと成

      • 14歳、サディストに憧れた夏

        キッカケは、今でも覚えている14歳の夏で、私は地方の古本屋にいた。 夏休みは家族で旅行をするのが毎年のことで、その年も例外ではなく、取り敢えず入っているだけの部活動もそっちのけで夏休みの4週間を北海道で過ごした。 その日は快晴で、それでも気温は30度以下。 時々通り抜ける風が気持ち良い午後2時頃、両親にことわりを入れて私は、宿泊先の近くで見かけた古本屋に足を運ぶ。 その古本屋は、おじいさんが1人でやっている個人店のようで。 店内には壁一面どころか、至る所に段ボールに入っ

        • 14歳、サディストに憧れた秋

          秋という季節が好きでした。 私が通っていた中学校はあまり図書室に力を注いでいる風ではなく、窓からの景色はとても殺風景なもので、簡素な長机とパイプ椅子がいくつか置いてあるだけの、あまり居心地の良い図書室ではありませんでした。 でも秋になると、窓枠の内は紅葉に彩られてそれを少し開けると埃のかぶった様なその図書室に、するりとはいってくるあの風が心地良かったのを覚えています。 放課後、友人たちの目を掻い潜りその誰もいない図書室に行って、夏に買ったあの淫靡な小説を読むのが、その年の

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