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朝が来る
明け方目が覚めると壁がオレンジ色に染まっていた。今朝の空はあかい。
夜が明ける。朝が来る。声が聞こえる。その声に耳を澄ませる。「そんなもんじゃないでしょう」とあなたは言う「疲れたよ」私は呟いた。ぽつりぽつりとしばらくやりとりが続く。「世界はやさしい」あなたは言った「怖い」と言うと「大丈夫」とてもやさしくあなたは言った。
わたしの心はへんてこで半分死んで半分生きてるみたいだ。ふと、自分だけ違う世界にいるんじゃないかと存在を確かめたくなる。触れる。ある。そんなことを繰り返してみたりする。
闇の中に光をみる。光の中の闇をみる。
闇の中にみる光は美しい。根元にあるもの。そのままの光。たとえ今が真っ暗だったとしてもその光を見つけた時、わたしは安心して絶望できる。その瞬間が好きだったりもする。絶望は希望を内包している。人間のエネルギーに触れる瞬間。
昼の月を見るとカタワレに会えたような何故だかそんな気持ちになって嬉しくなる。月は太陽に照らされて闇の中で輝くけれど、太陽の光にあふれる昼間でもそこに在ることを気づかせてくれる。見えなくてもあるのだ。
対極にあるものを直線で捉えたら、その距離は遠い。それでも端と端を持ってくるりと丸くつなげたら隣りあわせになる。背中合わせだと気づかないけれど、振り返れば目の前にある。対極は隣り合わせ。どちらもあるしどちらもあってひとつなのだ。
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