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なんでこんなK-Popが世界を席巻したのか

最近もっぱら韓国文化に浸かっている。辛ラーメンを箱買いし、韓国料理を食べ、韓国ドラマを見て、K-Popを聞く。韓国文化が日本に浸透したのはここ10年くらいだろう。なぜ、こんなに身近になったのか。きっかけの一つは、K-Popだ。

なぜK-Popが世界を席巻したのか、どんなプロモーションが行われているのか、そもそもK-Popは何を表すのかが書かれていた。
いやぁ!面白い一冊だった。絶賛K-POPにハマっているので、なんでこんなにハマっちゃうんだろうという謎が解けた気がします。

今回は、日本のエンタメ界との繋がりとファンがどのように経済規模を拡大してきたのかを解説します。

日本のエンタメとの親和性

90年代、日本のエンタメはモーニング娘。や倖田來未さんなどをはじめ、エイベックスが進歩していた。本書から、日本のエンタメ界から韓国エンタメ界に応用された3つのポイントを紹介します。

エイベックスから学んだプロモーション方法

現在では当たり前になった新曲公開前のティザー映像の公開は、エイベックスのプロモーション手法から応用されたもの。

2000年代中盤にやっていた、発売音源をCMで流しネタバレした状態で販売する方法。それを韓国はSNSで応用した。SNSで発売前に公開することで、ファンとのコミュニケーションを取るだけでなくプロモーションとして効果的な手法になった。

練習生はジャニーズから

デビューに向かって、親元を離れ宿舎で生活しながら練習をする練習生というシステムはジャニーズJrから応用されたもの。
ちなみに練習生は、デビューの確約は無いのが恐ろしいシステムだ。華やかな世界の裏には、夢に敗れた人たちがいるのだと感じる。

こないだもLE SSERAFIMのデビュー前ドキュメンタリーの中で、デビューメンバー候補に選ばれていた人が、途中で外されるというシーンを見て驚愕した。

現在のK-Popの曲作りには欠かせない「ソングキャンプ」

現在のK-Popの曲作りは、複数のソングライターが関わることが普通となっている。ソングキャンプとは、食と住を提供し缶詰状態でキャンプスタイルで作業を進めること。
元々は、ソニーミュージックで用いられていた手法らしい。

よく楽曲作成するアイドルも、2泊3日で曲作りしたなどと話している。

ファンを巻き込んで、経済規模を大きくした理由

SNSアカウントは用途に分けて変える

日本のアイドルは、SNSはお知らせ用として使うのが主流だが、韓国はプラットフォームによって見せ方を変えている。

  • Twitter:集合写真などの公式写真やテレビの出演情報

  • Instagram:メンバーのオフショットや自撮り

  • TikTok:新曲プロモーションのためのチャレンジ動画や流行り動画のコピー

様々な見せ方をすることで、ファンを飽きさせない工夫をしている。

ファンによるプロモーション活動

韓国では、ファンが広告費を出し合い広告を出すことや、メンバーに対しコーヒートラックなどの食べ物の差し入れを行うのが主流である。
目的は、広告や差し入れの写真を推しのInstagramに載せて認証してもらうことだ。
過去には、韓国内だけで無くタイムズスクエアや渋谷などワールドワイドに広告が出稿されている。

また、無料で視聴できるコンテンツが豊富にあるため、ファンではない人へおすすめしやすいという特徴もある。事務所公式がコンテンツを出すだけで無く、Mステのような韓国の歌番組も出演アーティストのパフォーマンスを公開している。
例えばBillieの日本人メンバーツキちゃんは、音楽番組に出演した時の表情管理(表情のパフォーマンス)がすごいと話題になり、人気となった。

ファンによる貢献

私が読んでいて1番驚いたのは、ファンによるコンテンツの翻訳だ。

日本語や中国語、英語など公式が出している翻訳もあるが、ファンがあまりいないであろう地域の言語は、ファンが翻訳しているという。ファンの翻訳の貢献によって、メンバーとオンライン通話できるという特典を用意したグループもある。

また、その翻訳を公式がビッグデータとして収集してAIを学習させているのだとか。アイドルの会話は、若者言葉を使うことが多く生の言語という意味では学習に最適だそうだ。面白いシステム…!

韓国の国民性

K-Popはマーケティング、デザイン、プロモーションなどビジネスの目線から勉強になることがたくさんある。これほど急速に進化していく理由は、韓国の国民性が関係している。

韓国の国民性は「パリパリ(早く早く)文化」と言われている。何か流行りが起こったら、みんなが一気に方向を変えて参入してくる。つまり、ビジネスのサイクルが早いのと、ブラッシュアップされやすいということだ。

先月韓国に行った際に、パリパリ文化はとても感じた。電車は降りる前から降りる準備、エスカレータの歩く人の量は日本より多いなどなど。

つまり、K-Popはいける!という国民からの後押しもあり、ここまで発達したと言っても過言ではない。
今の日本は変化を嫌いがちなので、新しい風を入れるのに抵抗ない文化は正直羨ましい。

まとめ

この本は、K-Popのことが少し興味あるほうがより面白いだろう。でも、マーケティング戦略を学ぶのにはとても役にたつと思う。HYBE、SM、YG、JYPの大手事務所のマーケティング戦略は正直学びたい。

カムバの際になぜあんなにムーブメントを起こせるのか、毎回違うビジュを出せるのか…本当に見ていて飽きないK-Pop。これからも沼にハマってしまうな。


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