森の案内人

三浦豊といいます。著書「木のみかた 街を歩こう、森へ行こう」(ミシマ社)、行った森林…

森の案内人

三浦豊といいます。著書「木のみかた 街を歩こう、森へ行こう」(ミシマ社)、行った森林や名所は3000ヶ所以上、日本に生えている木の名前と特性はほとんど分かります。街も好きです。https://www.niwatomori.com

マガジン

  • forest forest

    今までのアーカイブはコチラ→ https://www.niwatomori.com/forest_forest_map/ 森の案内人・三浦 豊が、週に1,2回、日本中の森林、木々の営み、名所について紹介をしています。 現在1000以上の話があり、購読開始の初月は無料となります。 圧倒的なまでの多種多様な草木が生え、豊かな自然と文化を有した日本に生きている喜びを共有できればと思いながら記事を綴っています。よろしくお願いします。

最近の記事

白八汐

三重県、鈴鹿山脈の中の一峰、竜ヶ岳( りゅうがたけ )へ登りました。 しばらく歩くと、 竜の雫( りゅうのしずく )と呼ばれる、渓流と滝の中間のような水場がありました。 杉や檜の植林を、1時間半くらい登ると、 視界がひらけて、 馬酔木( あせび )の群落が広がっていました。 またしばらく歩くと、 瞬く間に霧が広がりました。 今日は降水確率が0%だったのに、やっぱり山は奥深いですね。 そして、霧の中を歩いていると、 白八汐( しろやしお )というツツジの群落

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    • 山の上の赤八汐

      ( 前回のつづき ) 霧がかった岩山に、ピンクの花々が見えて、 引きつづき、山を登ると、 ピンクの花々が落下していました。 見上げると、 ピンクの花は、赤八汐( あかやしお )の花でした。 赤八汐( あかやしお )は、東海地方や関西では標高が1000mくらいの山に自生しているツツジです。 枝先に、ちらほらと咲かせている個体がいたり、 たくさん咲かせている個体もいました。 赤八汐( あかやしお )たちは、岩の合間に根を張り、力強く生きていました。 さすが岩の

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      • 巨大オブジェ

        三重県の鈴鹿山脈の中で、おそらく最も有名な山、御在所岳( ございしょだけ )に登りました。 登り始めた登山口から、花崗岩( かこうがん )が露出をしていて、 歩道の部分がえぐれている所もあり、 登り進むと、 花崗岩が、いよいよ大きな岩塊になってきました。 比較的、風化をしやすい花崗岩は、登るにつれて、 まるで巨大オブジェのような、大きな存在感を放ち始めました。 そんな、巨岩たちの傍( かたわら )に生えていたのが、 檜( ひのき )たちでした。 檜( ひのき

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        • 萱島駅

          大阪平野を流れる代表的な川の一つ、寝屋川( ねやがわ )沿いを歩いていると、 川の上に、 駅のプラットフォームがありました。 そのプラットフォームに向かって、左へ行ってみると、 同じ駅の下に、神社がありました。 本殿へ近づくと、 心底、驚きました。 赤い鳥居の向こうには、

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        • forest forest
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        記事

          2200年前

          ( 前回のつづき ) 熊野古道を歩いて、 とつぜん視界がひらけ、 眼下に見えた、海沿いの集落へ下りてみることにしました。 山道をしばらく下ると、 集落に少し近づきました。 集落の中に生えている大きな木がいよいよ気になって、ドキドキしてきました。 集落は、 路地が一人分の幅しかなく、味わい深い趣でした。

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          700年前

          三重県の熊野市にある、波田須( はたす )という集落です。 集落の中には、熊野古道が通っていました。 熊野古道は山林へと続いており、 集落を離れた途端、石畳になっていました。

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          初入御山内

          和歌山県の山中へ行きました。 僕が行った所は、 熊野古道にある、滝尻王子( たきじりおうじ )という場所で、 平安時代の公卿・藤原 宗忠が、中右記という書物でこの地のことを「 初入御山内 」と記しており、ここから先は、いよいよ熊野の霊域とされてきた場所です。 ここには2つの川が合流していて、 1月下旬なのに、モコモコと茂る森の前に、 滝尻王子がありました。 王子とは、熊野への巡礼道の中にあって祈りを捧げる要となる場所で、 往時、王子は約90ほどあったと云われてい

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          崖っぷち

          紀伊半島の海岸沿いに、 思わず二度見をしてしまうような景色が広がっていました。 この巨大石柱の長い列は、まるで橋を架ける時の杭のように見えることから、 橋杭岩( はしぐいいわ )と名づけられているようです。 長年の波風の浸食によって、岩盤の硬い所だけが残ったことにより、このような景観が生まれました。 付近の地図によると、 この橋杭岩の向こうには、紀伊半島で最南端にあたる半島と島があるようです。 橋杭岩を眺めていると、なんだか無性にこの先の島へ行きたくなったので、行っ

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          生まれて初めての出会い

          東京都文京区にある、小石川植物園へ行きました。 この小石川植物園は正式名称がとても長く、 「 東京大学大学院理学系研究科附属植物園 」 となっています。 園内は、まさに植物の楽園の様相を呈していました。 ざっとですが、印象的だった木を列挙します。 正門のすぐ前で茂っていた芭蕉( ばしょう ) この低いトゲトゲした木は沖縄這杜松( おきなわはいねず )といって、南西諸島に自生をしているようです。 南の島の海岸沿いに、こんな針葉樹が生えているなんて。 いつか自生地へ行

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          琵琶湖のモンサンミシェル

          滋賀県の、琵琶湖の湖岸へ行きました。 一帯は琵琶湖の北側にある「 湖北水鳥公園 」というエリアで、今も自然のままの湖岸風景が広がっています。 そんな湖岸の茂みを歩きました。 茂みを抜けると、 島に向かって、長細い砂洲( さす )が伸びていました。 最近、雨がとても少ないことで琵琶湖の水面が記録的に低くなり、この景観が生まれました。 最近は「 琵琶湖のモンサンミシェル 」とも言われ始めて、Yahoo ニュースでも大々的に紹介され多くの人が訪れる、ちょっとした名所にな

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          矮鶏榧( ちゃぼがや )の森

          滋賀県の北部、長浜市の山中にある菅山寺( かんざんじ )へ行きました。 お寺といっても、 山中に広大な森が広がっていて、 僕が訪れた11月下旬は、紅葉が見事でした。 そんな森の中で、 矮鶏榧( ちゃぼがや )という、幹が弓形( ゆみなり )に伸びている低木が生えていました。 矮鶏榧( ちゃぼがや )は榧の木( かやのき )の変種で、雪がたくさん積もる日本海側に広く自生をしています。 彼らは、冬は雪の中に埋もれて生きています。 雪の中というと冷たいイメージを持ちが

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          大阪公立大学附属植物園

          大阪府私市市( きさいちし )で、私市駅から、近くの河原へ行きました。 そこから、 紅葉をしている木々の紅葉が見えました。 とくに上の写真の真ん中で、尖った樹形でオレンジ色の紅葉をしている針葉樹の木立が気になりました。 そこは一般公開がされている大阪公立大学附属植物園という施設で、入園をしてみました。 さきほど気になった、オレンジ色に紅葉をした針葉樹の木立に入りました。

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          屋敷林

          長野県、安曇野( あずみの )へ行きました。 今回は、長野県の中信地方( ちゅうしんちほう・長野県を四分割したうちの、中央から西部にかけての地域のこと )を中心にツアーを催行されている「 ココブラ信州さん 」の主催で、安曇野地方を代表する屋敷林を有する布山邸( ふやまてい )を訪れるツアーの案内をさせてもらいました。 布山邸は、この地域を代表する名家で、 見事な屋敷林を有する邸宅で、今もご当主がお住まいです。 家の敷地がもしも森だったら・・・、を具現化している、 まさ

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          海の中道

          福岡市、海の中道海浜公園( うみのなかみちかいひんこうえん )へ行きました。 公園は広大な草原が広がっていて、その向こうには、 コスモスの花畑が広がっていました。 そして、その向こうには、

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          白神雄大

          青森県と秋田県の間に広がる、白神山地へ行きました。 山地の広さは1万139ヘクタール、その中で人為的な影響をほとんど受けていないエリアが世界自然遺産に指定されていて、その広さは6832ヘクタールに及んでいます。 ( ちなみに、ヘクタールは 100m × 100m の面積になります。 ) あまりの広さに、どこへ行ったら良いのか悩ましい、雄大な山地です。 緑色が世界遺産に指定されている、特に原生的なエリアで、 濃い緑色が核心地域、薄い緑色が緩衝地域になります。 その中で

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          源流遊行祭

          岐阜県と三重県を流れる大河川・長良川( ながらがわ )の源流域で行われた、 源流 遊行祭( げんりゅう ゆぎょうさい・長良川カンパニーさん主催 )に、遊行人として参加をさせてもらいました。 このお祭のメインイベントとして、 高田 宏臣さん率いる地球守のみなさんに指導をしていただきながら、 長良川の源流域で伐採された杉林跡で、森を育む施業をみなさんと行いました。 ほんとうに、感動の連続でしたが、 印象的だった中の一つは、植樹について教えてくれた地球守、高田造園の方々の目

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