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行政書士の報酬の決め方

同じ士業の皆さまがどれだけこの記事を見ているかはわかりませんが、行政書士の報酬の決め方についてのお話をしたいと思っています。

行政書士の料金設定の難しさ

他士業より報酬の決め方が圧倒的に難しいと思っています。なぜならば仕事が定型化されていなさすぎるからです。
たとえば行政書士といえばでまず出てくる建設業許可です。知事許可、大臣許可、新規、更新の別はいくつかメニューを作れば良いのですが、専任技術者の数や要件(たとえば10年経験だった)とかで手数はあっという間に増えます。それを一律に報酬を決めるのはある意味ギャンブル的です。
最近、丁種封印取付受託ができるようになりました。価格表を作ろうと思いました。出張料金(笠間と大子でいっしょなのか)や、ナンバーを止めてるネジが外れないとかの不足などいろいろなケースを想定しだすと料金体系が複雑化していきます。
パッと見てわかる料金設定は新規さん向けにはとっても大事だと思うので、どこかでエイヤー!ってやらないといけないのでしょうけど。
同業者さんの料金を見るとだいぶ単純なのでエイヤー!ってやっているんでしょうね。

そもそもの料金の基準は2つの考え方で決めています。一つは行政書士会で見ることができる料金調査表です。もちろん安売り設定にはしないことにしています。経験が浅いでマイナスの分、寄り添い型の仕事でプレミアムがついてプラマイゼロなはずです。
もう一つは、業務についてどのぐらいの時間かかるかで決めています。料金調査表に載っていないような案件はこちらで決めています。私の経験の浅さもあり甘めに設定しがちなのですが、一定の根拠にはなるのとお見積する段階でしっかり聞き取りしたりスケジューリングしたりするようになったので有効な気がします。

想定していなかった業務とその料金感

都内でお仕事をするようになってびっくりしたのが相続業務というジャンルです。この料金設定の根拠が、財産価額×何%みたいに設定されたりするみたいです。手間でもなんでもない総額方式です。よくそんな算定方法を思いついたとおもっていたら、他士業さんの間ではわりとスタンダードだったのです。
たとえば、補助金申請で補助金額×何%とか消費税還付申告で還付額×何%とかです。

マネタイズ力と寄り添い力のぶつかり合い

たとえば、補助金ってそもそも事業運営上の制度の不備や努力に対して政府等や財団からの支援金です。公金または公金に近い性格の資金が申請者の手元に届きます。これは対象事業対して必要十分な給付になっているはずです。そのウン%は申請代行業務の為に予算立てしているのかと言ったら本来の所そうではないように思います。
話題の小規模事業者持続化補助金も申請書の代行作成の手数料は補助の対象外です。理屈とすれば代行作成の費用は事業の本来の費用で充てるから、補助の対象外でも齟齬はないという考え方もあるでしょう。また、たとえば補助の20%を代行報酬に消えたとしても80%の補助金が入ったんだからお得だったという考え方もあるでしょう。

建値×何%型の報酬の決め方を否定しているわけではありません。そういうお仕事を積極的にされてる士業さんの方が圧倒的に稼いでいるはずです。マネタイズ力が高い仕事ゆえに競争率も激しいはずです。そこで生き残ることも大変なはずです。
ビジネスとしては素晴らしいです。
私は他者との差別化として「共感と寄り添い」だと思っています(通用しないかもしれませんけど)。その差別化と建値×何%型の報酬はなんとなく相反するのではないかと思っているのです。同じ方向を向いて仕事をするのであれば、やっぱりどのぐらいの時間をそのお客様に割いて、自分の価値はこのぐらいあるからこの単価でという時間×単価の計算がしっくりくるのかななんて考えています。
結果として建値×何%型より高い提示になることもあるかもしれません(ほとんどないとは思うけど)。それは安売りだとは思いません。あくまで価格設定のアプローとの違いだと思っています。
お客様の元に届くべき補助金や(行政書士業務ではないけれど)還付金の数%を士業がもらうというより、お客様が本来やるべき作業をお預かりして一種の外注としてお手伝いするという方が、私の仕事の向き合い方にはしっくりきます。

やっぱり私は商売が下手だ

マネタイズ力の高さより、どう見えるべきかっていうのを優先して自分の仕事を値決めしようとしている時点で商売人としては失格なんだろうと思います。どんな理念であれ相手が納得するギリギリの高値で販売価格を決定するのは当たり前だからです。
お人好しは商売に向かないんですよね。それでも足プルプルしながらなんとか独り立ちしてやっていきたいんです。お人好しでも商売できるんだというのを見せられれば、なんていうのはちと生意気ですけど。

最後までお読みいただきありがとうございました。
haseyoさん素敵な画像ありがとうございます。

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