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映画「THE FIRST SLAM DUNK」は井上雄彦さんが25年越しにファンのみんなへ感謝を込めて送ったプレゼント

2022年12月3日公開。

映画「THE FIRST SLAM DUNK」を鑑賞しました。

井上雄彦さんがTwitterで約1年ほど前に映画化の告知がされ、ほぼ具体的な内容は極秘の状態で映画が公開。

予告編が公開されると、「CGが違和感」とか「声優が違う」など、批判の声が増える一方。

しかし、原作ファンならだれもが歓喜する「山王戦」が本当に描かれるのであれば、大作になること間違いないという期待を込めて観に行きました。

率直な感想は「井上雄彦さん!ありがとうございます!」という感謝の気持ちでいっぱいです。

井上雄彦さんも、原作の読者の方々へ感謝の気持ちを作品へ込められていることが、こちらの記事からも伝わってきます。

原作が完結後、2004年の7月にジャンプ1億部突破を記念し、山王戦から10日後のエピソードが神奈川県にある廃校を使って黒板アートとして公開されました。

黒板アートから18年後の12月3日、原作終了から25年後に本作が公開されました。

黒板アートの時と同様に、井上雄彦さんからファンのみなさまへ25年後しの感謝が伝わってくる作品になっています。

今回は映画の感想をネタバレありでまとめていこうと思います。

映画をまだ観ていない方は、ネタバレに触れる前に劇場へ行ってみてください。


※ここから先、ネタバレありです。


◆作品情報◆

◆キャスト◆

宮城リョータ 仲村宗悟
三井寿 笠間淳
流川楓 神尾晋一郎
桜木花道 木村昴
赤木剛憲 三宅健太

◆解説◆

1990年から96年まで「週刊少年ジャンプ」で連載され、現在に至るまで絶大な人気を誇る名作バスケットボール漫画「SLAM DUNK」を新たにアニメーション映画化。原作者の井上雄彦が監督・脚本を手がけ、高校バスケ部を舞台に選手たちの成長を描き出す。

湘北高校バスケ部メンバーの声優には、宮城リョータ役に「ブルーロック」の仲村宗悟、三井寿役に「ガンダムビルドダイバーズ」の笠間淳、流川楓役に「ヒプノシスマイク」の神尾晋一郎、桜木花道役に「ドラえもん」の木村昴、赤木剛憲役に「僕のヒーローアカデミア」の三宅健太を起用。1990年代のテレビアニメ版も手がけた東映アニメーションと、「あかねさす少女」のダンデライオンアニメーションスタジオがアニメーション制作を手がける。
引用:https://eiga.com/movie/94436/

1.主人公は宮城リョータ

出典:https://slamdunk-movie.jp/gallery/

今回の映画の主人公は桜木花道ではなく、なんと、宮城リョータです。

原作では湘北のスタメンの内の一人でありながら、宮城リョータの背景までは描かれていませんでした。

そんな宮城リョータの家族構成や、バスケを始めたきっかけが描かれています。

沖縄で生まれ、兄の宮城ソータに憧れ、バスケを始めたリョータ。

兄のソータはミニバスで周りとは比べ物にならないほどのプレイヤーで、将来が期待されていました。

ところが、海難事故により命を落とし、リョータは兄の夢を背負ってバスケを続けます。

しかし、兄と比べると歴然としたレベル差があり、「兄とは違う」と周囲からは哀れな目で見られてしまう。

それでもバスケを続けながらも、様々なトラブルに巻き込まれ、上手くいかない日々。

兄のソータと同じ誕生日だったリョータは、誕生日を迎えるたびに母親に対し、「生きているのがオレですいません」と感じてしまう、葛藤の日々を送っていたそうです。

原作ファンとしては、宮城リョータにそんな背景があったことは知りませんでした。

映画公開後に、「後付けなんじゃないか」という声も出ていますが、そんなことはありません。

単行本にもなっていない、映画とリンクする宮城リョータの過去が描かれた作品もあります。

父が他界し兄を失い、シングルマザーの母親に育てられながら、母親に迷惑をかけてばかりだったリョータ。

当時兄の夢だった、王者「山王に勝つ」という目標に向かって走り続けた結果、兄が立つはずだった「山王戦」の舞台に立ちます。

いつも強気でみんなを引っ張っていく宮城リョータに、こんな背景があったと思うと、山王戦の見え方が変わりますよね。

もう一度、宮城リョータ視点でスラダンを一から読み返したいと思いました。

2.映像化された伝説の山王戦

出典:https://slamdunk-movie.jp/gallery/

原作では25巻~31巻で描かれた山王戦。

しかし、アニメでは描かれておらず、ファンの中では山王戦のアニメ化が待望されていました。

それから20年以上の時が経ち、ファン待望のアニメ化ならぬ映画化。

最先端のCG技術を使っており、まるで井上雄彦さんの作画がそのまま動いているようでした。

山王戦の緊張感、呼吸ひとつ、汗まで繊細に描かれた映像。

名場面だらけの山王戦をアニメーションで見れたことにも感動。

臨場感が半端なく、まるで本物の試合を見ているような感覚になりました。

20点差のところから素人ならではの発想で空気を変える花道。

花道の山王センターを凌駕するリバウンド。

安西先生のガッツポーズ。

三井の連続3ポイント。

沢北に対峙したときに流川が見せたパス。

宮城の2枚抜き。

花道の机ダイブ。

花道から流川へのパス。

流川から花道へのパス。

花道のななめ45度シュート。

そして有名な名シーンである、花道と流川のハイタッチ。

手に汗握るどころか、試合をしていない僕自身まで汗だくになるほど、緊張感ある名場面の数々に感動しっぱなしの2時間でした。

3.初めて描かれたその後

出典:https://slamdunk-movie.jp/gallery/

原作では描かれたことがなかった、山王戦のその後のエピソードが本作品で描かれています。

高校バスケではやり残したことがなかった山王の沢北。

 湘北戦で初めて敗北を経験した悔しさをバネに、アメリカ遠征で試合に挑む。

インタビューを受け、いよいよ試合が始まる直前。

相手チームにいたのは、なんと宮城リョータでした。

山王戦に勝利し、赤城と小暮がバスケ部を卒業したあと、キャプテンとして部を引っ張っていった宮城リョータ。

原作ではここまでしか描かれていませんでしたが、恐らくその後、宮城リョータもアメリカ遠征に行ったようですね。

兄の宮城ソータの夢を背負い、地道に努力を積み重ねた結果、アメリカで活躍するようになったストーリーを想像するとグッときます。

続きがあるのかは分かりませんが、その後どうなるのかが気になって仕方ないです。

◆まとめ◆

出典:https://slamdunk-movie.jp/gallery/

オープニングシーンから歓喜しっぱなしで、とにかく最高だった本作品。

本作品のタイトルが「THE FIRST SLAM DUNK」であり、宮城リョータを主人公にしたと考えると、SECOND、THIRDなど、他のメンバーが主役の作品も今後出てくるのでしょうか。

赤木や流川が主人公だったらまた原作の見え方も変わりますよね。

小暮くんが主人公だったら絶対泣けますし、安西先生が主人公で現役時代から湘北を見守るコーチとしてのストーリーなんて出てきてほしいなと思います。

本作品を通して、またスラダンブームが再来すること間違いなし。

色んな方と本作品の感想を語り合いたいです。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました!

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